がんばれ!!タブチくん!!

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先日阪神の今岡が1シーズン3満塁ホームランを達成した。阪神ではブリーデン、田淵幸一についで3人目のことだそうだ。偉業を達成した先人はさぞや大選手かと思えるが、田淵幸一…我々の世代の人間にとってはこの漫画の主人公のモデルとしてのほうがよく知られている。確かにホームランをよく打ってくれたがいい時に見逃し三振なんてこともよくあった。ホームランコースのボールが来ても自分の腹に隠れて見えない? 田淵のほかにもブリーデン、藤田平、池辺、遠井など昔のタイガースは阪神部屋の異名を取るような超重量級?打線だった。超大型トレード「田淵⇔輪島!」というのが本当にありそうだった。ヒットで一塁へ走るのがゆったり見えた。相手の応援席から「田淵~、走れ~」というヤジ。この選手がまさかランニングホームランはできまいということで、不可能の意味で「タブラン」という言葉がこの頃流行った。(でもその後西武に移ってから本盗を試みたことがあった。皆唖然某然!)こんな田淵でも入団した頃はスマートで長身のスラッガーとしてもてはやされた。だが不運だったのは彼が選手として阪神に在籍中にはとうとう一度も優勝できなかった。そういう不満が選手を鬱屈させやけ食いやけ飲みに走らせて彼を太らせたのだろうか。キャッチャーの守備ではパスボール、悪送球、盗塁され放題となり、機動力がなくては勝てるはずもなくこの漫画がブレイクした昭和53年にはとうとう屈辱の最下位に甘んじてしまった。そして阪神お決まりのお家騒動のあげく相撲部屋ではなかったが西武にトレードされてしまった。その頃の状況を面白おかしく描いたこの作品は野球漫画といえばスポ根という中で新しい境地を開いた。それまで関西でのマイナーな活動をしていたいしいひさいちのメジャーデビューとなる作品でもあった。出版数はかなり売れたと思うが今この漫画を古本屋で探してもなかなか見つからない。

おととし阪神優勝のとき田淵は打撃コーチとして虎のユニホームを着ていた。しかし優勝のとき胴上げはしてもらえなかった。「死の胴上げ」が怖かったから?