80年代の名鉄 ⑤小牧線その1、上飯田

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名鉄小牧線は今でこそ名古屋市交との乗り入れで都心への連絡がスムーズになったが、3年前までは上飯田という名古屋市の北のはずれで終点だった。かつて市電がここから中心部に伸びていたのだがそれが廃止になってからは他の路線とは孤立した存在だった。そのような不便さもあってせっかく名古屋市まで来ていながら都市間輸送の機能を果たしえずローカル線の地位に甘んじていた。車両も今は300系や市交7000系といった新鋭のものになって近代化されたが、それまでは旧型車の巣窟で吊り掛けモーターの音が最近まで聞かれた。かつての小牧線の状況を評して親しかった鉄仲間が言った。

  「名鉄飯田線やな。」

 言い得て妙である。

 

その終点の上飯田の1986年当時の写真である。といってもこの駅は3年前地下線完成の時まで変わらず使われていたので記憶されている方も多いだろう。スーパーなどの商業施設の入ったビルの階上にこじんまりした駅があった。通りからは駅名表示がなければどこに電車が発着しているのか分からないような目立たない駅だった。ホームに上がると4両くらいの入れる1面1本の狭い乗り場。ビルの上だからしかたない。でもビルの上という感じはしない。線路は2本分引けるようになっており後年2本にされたがこの当時は1本だけしか使われていなかった。種種雑多な形式の車両が入っていたが3700系(先代のですよ)が比較的多かった。地下線開通後もこのビルは残っているそうだが駅の跡はどうなったのだろうか。1986年3月30日撮