80年代の名鉄 ⑬岐阜市内線(長良北線)

また名鉄に戻ります

 

徹明町はかつてここから三方に路線が分かれてました。その中で最も早くなくなったのは北へ向かって伸びる通称長良北線でした。徹明町から柳ケ瀬、市役所前を通り金華山を横に見つつ長良川を渡り市北部の長良北町まで至る全線併用軌道、複線の線でした。運行は岐阜駅前から長良北町までの系統だけで他線からの乗り入れはありませんでした。車両はほとんど北陸鉄道金沢市内線からやってきた小型の550形が使われていました。昔長良北町から高富線という路線がさらに北へ向かって伸びていて、岐阜市内線と直通運転していましたが1960年に廃止されています。

 

この路線は割りと広い道路上を走っていて他の交通機関の障害というほどではありませんでした。しかし1988年岐阜で中部未来博が開催されることになりその会場アクセスの邪魔になるという理由で同年5月末で廃止されてしまいました。岐阜市岐阜市内線の運行には余り好意的ではなかったようで1967年に早々と市議会で岐阜市内線の廃止案を決議しているし停留所の安全地帯設置は全く行われませんでした。鉄道の廃線は普通年度末や半期末である3月か9月の末日になることが多いですが、この長良線の場合市のイベントのため「さっさとどけ」というような強引さで年度途中にされたように思えます。

 

①徹明町交差点を北へ直進する長良北町行き
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長良橋を渡る岐阜駅行き
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③終点長良北町停留所
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線路はこの右手で途切れている。折り返しのためここだけ単線になっている

 

1986年9月21日