山陰線・七条御前(しちじょうおんまえ)

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2日に載せた七条河原町から七条通を西へ行くと鉄道ファンに見所がありました。SLで知られる梅小路機関区の近くで国鉄山陰線と市電七条線が交差していました。京都で市電が他の鉄道と交差しているポイントはいくつかありました。京阪・叡電嵐電との交差が見られましたがこれらは全て平面交差でした。ところが国鉄との交差もいくつかあったのにそれらはすべて立体交差でした。その昔官営鉄道の運行の妨げになるような平面交差は認めてもらえなかったのでしょう。国鉄は交差部分を地平上のまま走るので相手に高さの変更を押し付けます。市電はやむなく線路を跨ぐかくぐるかしなければなりませんでした。それが顕著だったのがこの七条御前の交差でした。七条を走ってきた市電はここで地下へ進み山陰線の下を通ってまた上がって来ました。この坂はかなり急で通るとき電車はかなり揺れたものです。上がれなくなって急遽応援の車両をよこした事もあったとか。そんな運転士さんの腕の見せ所でした。

 

ここの山陰線の蒸気の引く客車列車を撮っています。1970年の夏休み頃だったと思います。初めてカラーフィルムを使わせてもらった(フィルム代親持ちだったもので、当時高いカラーはなかなか買ってもらえなかった)時の験し撮りの写真です。いったい何を撮りたかったのかよく分りませんが撮れた時にはカラーはきれいだなあなどと感心していたものです。手前の欄干は市電の地下線の囲いです。ナンバーは分りませんがC57が32系客車を引いています。32系客車をその後山陰線で見た記憶はなくこのときだけです。わざわざここまで来たのだから市電も撮っておけばいいのにコレだけ撮ってきただけのようです。このころ市電はそれほど珍しいものではないのでカラーはもったいないなどと思ったのでしょう。でもここで市電を撮ることはついにありませんでした。惜しいことをした。稚拙な写真失礼しました。

 

今ここは山陰線は高架上を走り電化されている。市電がくぐっていた地下線は跡形もなく埋められ往時の面影はもう見られない。