嵯峨野観光鉄道のリッチな旅

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山陰線を出したらこの鉄道のこともひとつ

温暖化現象で真夏日や熱帯夜が続くことが増え現代はエアコンが欠かせないものになった。しかしエアコンの使用による放射熱が大気の温度を上昇させかえって温暖化に拍車を掛けている。この悪循環を断ち切るのは難しい。平成の世になって鉄道車両においては冷房がついているのは当たり前で非装備の車両は見かけなくなった。いまや真夏に冷房をつけずに外気に触れて乗車を楽しむのはリッチな遊びとなったのだろう。そんなリッチな遊びを楽しめる列車が地球温暖化対策京都議定書が採択された京都の地にある。嵯峨トロッコ列車で知られる嵯峨野観光鉄道である。電化複線化工事の完成で廃線になった山陰本線の旧線を利用してトロッコ嵯峨からトロッコ亀岡の間7.3kmを1991年に開業した観光目的の路線である。独自の色に塗られたDE10が貨車を改造した赤・黄色の5両の客車を引いている。中でも機関車の次位の車両は「ザ・リッチ号」と名づけられ大自然をより体感できる様にした風通し抜群な超オープン車両。窓ガラスはなく代わりに屋根がガラス張りのサンルーフになっている。 腰板と床は格子になっているので下のほうが見通せる。保津川鉄橋を渡る時に列車は橋の上で撮影の便宜のため暫く停車する。このときこの車両に立っているとかなりスリルを感じられる。ただ雨の日には座れなくなるので指定券は晴れた日に当日券のみ発売している。この車両に乗車する人に渡される乗車心得には「濡れても文句をいうべからず、スカートめくれても文句を言うべからず、目にゴミ入れば目薬をさせ」とか思い切ったことが8か条書かれている。若い女性はそれなりに準備して行ったほうがいい。帰りに保津川下りの船に乗るなら当たり前のことではあるが。トワイライトやカシオペアにのるだけがリッチな列車旅行ではないことをわずか600円で30分間も体験できる鉄道です(テーマパークのアトラクションより安くて長時間でしょ)。春秋も美しい景色だが夏に涼を求めて乗るのは如何でしょうか。

ただ、自然を体感できる ことを売りにしているが、この鉄道の開業に当たっては雑草の除去、桜やかえでの植樹、松ノ木の蘇生など関係者は大変な苦労をされ、今も線路だけでなく周辺の木々の手入れを怠らずに続けておられるという。どの駅もきれいに整備され途中の保津峡駅はなぜか信楽のタヌキの置物がずらりと並んでいて見るものを笑わせる。あちこちに客を楽しませようとする工夫が見られる。それゆえに我々観光者が楽しむ自然は決してありのままの自然ではないことを知っておくことも必要であろう。
この記事を書くに当たり次のHPを参考にさせていただきました。謝意を表します
http://www.sagano-kanko.co.jp/
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/06hasegawa.htm
①トロッコ嵯峨で。ここから次のトロッコ嵐山まで数百メートルこの鉄道と山陰線下り線が線路を共用していて亀岡発嵯峨行きのトロッコ列車は山陰線を逆走する。ある意味これもスリル。 
保津峡駅に置かれているタヌキの置物。本物が混じっているかも??