夏に乗りたい路線・JR東海名松線

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鉄ちゃんの間ではよく知られた路線であるが、一般の人で乗ったことある人は少ないかも。本来ならとうにJRから切り捨てられてしまいそうな路線であるが周辺道路が未整備という理由で生き残っている。そのまま未整備にしておいてくれなどというのは鉄ちゃんの戯言か。でもそもそも松阪と名張を結ぶつもりで奥津まで建設されながら参急に先を越されて断念したという路線で幹線ルートからは外れてしまい輸送需要もないだけに今も道路整備は急務ではないところ。思えば鉄道は道路の整備によってあちこち外されてしまった。それらの消えた鉄道の怨念がこの名松線を見守っていて欲しいものだ。ドル箱東海道新幹線保有するJR東海にすればこの程度(失礼)の路線の赤字など微々たる物だろう。度量を示して欲しい。しかしもっと言うなら伊勢線も手放さずにいて欲しかった。

 

さて、この路線も夏に乗りたい路線に挙げておく。奥に行くにつれて山がせまって川が寄り添い涼を感じる車窓なのだ。ことに伊勢八知を過ぎると渓谷の中を走り急カーブ、急勾配が続く。川は清流となり山の緑が鮮やかだ。トレッキング・レールとでも言いたい。松阪から約1時間15分で終点伊勢奥津に着く。駅は無人駅。構内の奥に給水塔が残っていて蒸気機関車が走っていたことを偲ばせる。駅前には電気屋があるがほかに店はない。先ほど車窓から見えた雲出川の流れは駅からすぐのところにあり辺に佇んでみた。河原で手を洗い足もつけてみたくなった。くるぶしの出っ張りにジワ~っと響いてくる冷気、これが心地よい冷たさというものだろう。これ以上冷たいと痛く感じて指先が痺れる。ああ、ここまで来た甲斐があったと思った瞬間である。水と遊んでまた道に戻り、少し周囲をぶらつく。駅から少し歩くと古い商店が少し並んでいる。酒屋があり名張の地酒というのを売っていた。山を越え谷を跨いで名張へ至るであろうこの先の道を想像しつつ酒をわが身の起伏の中に流してみよう。松阪から来た列車はどれもこの駅で40分ばかり停車して引き返していく。これだけここで遊んでもまだ停まってくれている。先ほど乗ってきた(同じ運転手さんの)列車で再び松阪方面に向かう。写真はいずれも伊勢奥津駅

 

1992年に乗った体験に基づいてこの記事を書いた。近年伊勢奥津駅は地元のコミュニティー施設との共用として新しく建て替えられた。