南海貴志川線

野上電鉄に乗った同じ日に南海貴志川線にも乗っている。乗ろうと思ってなかなか乗れないでいた線だ。野上の動木駅から県道を越えていくと貴志駅は近い。野上を動木で降りて公衆電話から地元のタクシーを呼んで貴志に着いた。南海といっても他の線とは離れ小島になっていて独立した運行をしている。架線電圧も他線が昇圧されてもここだけ600Vで残った。そのため幸か不幸か南海本線を追われた吊り掛式の1201系がここで生き延びることになった。野上もそうだったが平成の世になってなお生きている戦前の吊り掛け車はそれだけで涙モノである。野上に比べると車両の手入れが良くてさすが大手と思わせた。またこの1201系はパンタ位置がかなり中央寄りという特徴がある(EF56ほどではないけど)。そんな1201系がたくさんとまっている伊太祁曽で降りて車庫を覗いた。何台もいた。車庫の建物がまたローカル色強い木造のもの。1201系に良く似合う。構内にいた車両のナンバーが1234なのがうれしくて一枚撮った。ほかの鉄道で同じ番号の車両はあっただろうか。縁起よさを感じ、正月のことなので駅から程近い伊太祁曽神社にお参りしてから和歌山へ向かって乗りなおし。伊太祁曽、いだきそ、イタキソ…。電車に乗ると私の頭の中でチャイコフスキーのイタリア奇想曲が鳴り出した。

 

①1218他 貴志にて
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②伊太祁曽での並び
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③車庫にいた1234
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いずれも1992.1.4撮

 

数年後に1201系は引退し吊り掛け車は消えた。今度は高野線の22001系を改造した2201系が入ってカラーも変わり面目は一新した。面白いことにこの2201系のパンタ位置も台車中心から若干ずれている。
そして今年から同線は南海の手を離れ岡山電軌の支援で発足した和歌山電鐵として新たなスタートを切った。当面は現有の車両を塗り替えて使用するようだが、いずれはLRTになるのでは…?