和歌山線吉野口駅

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北宇智からの帰り一駅隣の吉野口で降りた。JR和歌山線近鉄吉野線の接続駅である。1.2番線を近鉄が使い3~5番線をJRが使っていて乗り換えの便宜を図るためか構内はスルーになっている。吉野口と言う名前はそもそもJR側の「吉野へ行くならここで他社線に乗り換えだよ」というニュアンスが感じられ近鉄としてはふさわしくない名前であろう。しかし大阪方面から吉野へ行く場合わざわざJRを使ってここで乗り換える乗客はそう多いとは思えない。ちなみにJRで天王寺からここまでは約80分かかり820円、対して近鉄阿部野橋からは急行なら約60分で750円と近鉄に軍配が上がる。和歌山方面から吉野へ行く乗客数は押して知るべしだろう。JR・近鉄共同駅でありながらそのどちらに乗るのにもJスルーカードが使えない。いかに改札口を通る乗客が少ないかを物語っている。接続駅にして特急停車駅(近鉄)とはいえ乗客数は多くなく窓口業務規模としては一方の職員だけで足りるのだろう。それでこの駅はJRが管理しており近鉄は委託している。しかし発着本数は近鉄のほうが多い。そんな不思議なバランスの上に建っているこの駅に何となく興味がわいて降りてみた。

 

この駅にもう一つ興味あることといえば、そんな小さな駅なのに駅弁を販売していることである。時刻表にきちんと駅弁の表示がある。一つ買ってみたくなった。駅舎の中にあるのかなと思ってホームから出口へ行き周囲を見回してみるが店らしきものは見当たらない。駅員氏に駅弁の売り場はどこか聞いてみる。すると2番線と3番線の間のホームにある売店で売っているという。4番線から降りたのでその存在に気が付かなかったのだ。行ってみるとちいさな売店で客もいないホームで店員の女性が店周りを片付けていた。「お弁当ありますか」と声をかけると「あ、今持ち帰られますか。何時の列車に乗られます?」と聞かれた。今日売る分はもう出てしまったので待って貰ったら持って来させますとのこと。すぐ近所に会社があるらしい。乗車予定の発車時刻を告げ柿の葉寿司と鮎寿司(この季節でも売っているのだ!)一つづつ頼むと店員姐は会社に注文を入れホームに届けるように電話してくれた。電車がくるまで20分以上ある。7.8分後作業服姿の社員さんが届けにきた。二つあわせて1800円払うと店員、社員さん2人から「どうも有難うございます」と言われた。何だか貴重なものを受け取ったような気がして「無理を言ってすみません」と謝ってしまった。家で開けて家族と食べた。酢がよく締まっていて季節外れの味覚を楽しんだ。
2007.3.11撮