Hello Goodbye

You say 'Yes',I say'No'. You say 'Stop',and Isay 'Go go go… '
というほど極端な違いではないけれど一口に関西弁といっても地域によって少し違うことがある。最近気がついた京都弁と大阪弁の例である。否定形の表現について。 

 

例、「行かない」についての言い方をみてみる。それぞれの不可能、強調的表現について

 

京都弁 不可能→「行けへん」 強調→「行かへん」 となる。普通の否定形なら「行かん」 になる。 
大阪弁 不可能→「行かれへん」 強調→「行けへん」 。 普通の否定形は「行かへん」となる。

 

ここで留意せねばならないのは京都弁の不可能と大阪弁の強調、京都弁の強調と大阪弁の普通が同じ形になること。京都人と大阪人が会話しているとき大阪人が「明日××まで行けるか?」と聞いて京都人が「行けへん」と言ったとすると、京都人はただ物理的に困難というつもりだけなのに大阪人には強い意志で拒否したと受け止められる可能性がある。
そして強調否定だが、京都人には出来るだけ強い言い回しは避けたがる習性がある。だから「よう行かん」などとやんわり言おうとする。ところが京都人が「行かへん」と言ったらかなり旋毛を曲げている可能性が強い。一方これは大阪弁では普通否定の形なので京都人の拒絶的気持ちを見落とす恐れがある。京都弁「行かへん」を丁寧に言うなら「行かしません」になる。言葉当たりはやわらかく思うがこれも強い否定形である。

 

あまり関西以外からは窺い知れないが、京都人は大阪人を「あけすけ」と思い、大阪人は京都人を「腹がよめない奴」と思う。そのような思いはこのような言葉のちょっとしたニュアンスの違いから起こるボタンのかけ違いであることが多いのではないか。