能勢電と近鉄養老線

どちらも最近になってマルーン一色塗装に戻されました。車両はすっかり変わったものの旧来の色への回帰です。
能勢電は阪急のお下がりの車両ばかりではあるものの一時独自色を打ち出そうとして思い切った明るい黄色系にしましたが、乗客の流れは線内完結よりは阪急に乗り換えて大阪方面へ行く方が多い。10年程前から通勤時日生エクスプレスが阪急梅田まで直通するようになって以来再び阪急との結びつきを改めて深めることになり、阪急と同様の色に戻されました。色が同じだとちょっとみただけでは阪急の車両と見分けがつきません。川西能勢口のホームの一角に停まっているのを知らない人がみれば阪急の支線の一つに思えるでしょう。
近鉄養老線で現在走っているのは養老線専用の車両ですが車体だけみれば他線の4扉通勤車と同じです。これまで他と同じマルーンとアイボリーのツートンカラーでした。しかし養老線も沿線人口の減少やモータリゼーションの影響を受けさらに貨物輸送の廃止による収益低下でずっと赤字続き。今まで近鉄のような大手私鉄は支線の小さな赤字くらいは幹線の収益で吸収できていましたが近年の経営状態は本体も楽観できる状況になく不採算の部門を減らそうと躍起です。養老線も例外でなく、経費を切り詰めて何とか走っています。塗装工程の簡略化のため一色にしたとのうわさ。それでも赤字体質が改善されることもなくとうとう近鉄養老線の廃止届けを提出して10月には近鉄としての営業を終了の予定です。その後は線路施設は近鉄が所有するものの運行は沿線自治体や近鉄などが出資する「養老鉄道」に移管され上下分離方式による経営となる模様です。
同じ旧色回帰でありながら一方は親会社との連携強化のため、もう一方は本体からの分離のためと方向はまるで逆です。
それぞれの塗り替え前の写真を上げておきます。
能勢電鉄
イメージ 1

川西能勢口で2001年1月4日撮

 

近鉄養老線
イメージ 2

大垣で1997年3月20日