薔薇の名前

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薔薇にはさまざまな品種があって、洋の東西を越えてその品種改良や新品種作成に心血を注いでいる人もいるぐらいだ。この品種はドイツの人が愛情注ぎ丹精こめて出来上がった作品である。その美しさを表すにふさわしい名をあれこれ考えてつけたことだろう。花びらの色、花弁の形、日本の八重桜をイメージしてこれを日本の美にちなんだ名前を付けようとして…、最上級の賛美の思いをこめて決めたのは「ゲイシャ」。

手塚治虫の「アドルフに告ぐ」の一場面。手柄を立てたアドルフ・カウフマン少年がヒトラーに拝謁したときにヒトラーがカウフマンの母親が日本人と知って彼に問う。「母親はどういう人だ、ゲイシャかね?」するとカウフマンは即座に「ママはゲイシャとは違います!」と’総統’の前で叫ぶ。ヒトラーは敬意を表して言ったつもりが思わぬ反応にたじろぐ。

欧米人のゲイシャのイメージは「アジア人なれど洗練された職業女性」という位置付けでいわばミスユニバースに匹敵するような敬意の対象となっているようだ。太陽系の中にある小さな惑星の一つにゲイシャと名づけられたものもある。

かの国の人の美意識を笑うことはない。わが同胞は「ベルサイユのバラ」なんていう名のアニメで究極の男装の麗人像を作り出し仏蘭西本国はじめ各国に輸出しているのであるから。時は7月、もうすぐ革命記念日である。「隊長、バスチーユに白旗が!」

写真 7月1日、大阪中ノ島バラ園にて