消えていくのか?なにわの名キャラクター

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まさかですねえ。誰でも知ってるこてこての大阪名物、いつまでも続くものと思っていたのにこの7月で閉店とは…。くいだおれという名前は面白い存在だったのに店が倒れてしまってどうするんよ。

 

設備の老朽化、経営環境の変化、家族経営の限界などが閉店の理由という。1949年創業以来繁華街の一等地で続いてきたが約60年の歳月を経てここらで大きなてこ入れをしたいところだったろう。でもこのところ収益が落ちていてしかも家族経営では資金の調達が難しいと判断したのではないか。人形の存在こそ良く知られているが意外と入る人は限られていたのかもしれない。実は私も一ぺんも入ったことがない。

 

昔地方局のみではあったがテレビCMも流されていた。和洋さまざまな料理をそろえて味のデパートなどとキャッチフレーズで客を呼び込んだ。それは成長期の大衆文化に受け入れられ、大衆は色々な料理が楽しめることを喜んだ。しかしあの店のお勧め料理は何?と問われると誰も知らない。今の人びとはどこそこの店の何々を食べるために行列をいとわないが総花的な物の中から自分の好きな物を選び出すという労は避けたがる傾向がある。あの店のやり方が現代の人々のニーズにマッチしなくなったと言える。
 
そして昨年続出した食品偽装問題も無関係ではあるまい。いえ、決してあの店が偽装していたなどということではありません。しかし渦中にあった企業の多くが家族経営によるもので、一族で占められた経営陣の意向に現場の者がずっと口をはさめない状態にあり結果として企業ぐるみで偽装を続けることになったのが明らかになった。昔なら家族経営というのは堅実経営として信用が置かれていたが今では情報の不透明さなどを指摘されて世間の風当たりは強い。特に船場吉兆の件は同じ大阪の飲食業者として身につまされたことだろう。もしも万一事あった場合家族だけで社会的責任を全うできるか思い知らされたと思う。家族経営の限界と言っているのはその辺のことではないかと思う。

 

ともあれ人々に長く親しまれた大阪の顔とでも言うべきブランド、これを消してしまうのはやはり惜しい。経営の透過性を高めて新しいアイデアで何とか再出発して欲しいものだ。

 

一昨年1月9日に出した記事の写真を再掲載します。