夕やけ番長

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原作 梶原一騎、漫画 庄司としお


70年代初頭に学園スポ根ものが流行ったがコレもその中の一つ。
その手の漫画の原作者として当時売れっ子だった梶原一騎の手になる。
少年チャンピオンに連載されていたと記憶するが
それよりTVアニメとして放映されていた印象が強い。
平日の夕方6時台に15分番組でやっていて学校から帰ったばかりに見ていた。
そこから怠惰な夜が始まりTV漬けの一日が終わる…

番長という役職(?)は実在の人物で見たことも会ったこともないけれど、
もし居るとしたらずいぶん怖いのだろうなと思っていた。
(中学時代、私は学校帰りに自分よりやや年長な感じの不良たちにカツアゲに
あった事があり、イメージとしてはその手の人間と思ってた)
この漫画の主人公赤城忠治は任侠ものの親分を思わすような名前で、
自分より大きい者や大人のワル相手に大立ち回りを演じたりしている。
しかし見かけはそれほど怖くなく描かれている
どの学級も番長が幅を利かせその番長連合に牛耳られる木曾中に転向してきた赤城忠治は
彼らとの戦闘を続けて次第に頭角をあらわし彼らの上に立つ。
そして喧嘩に明け暮れる生徒たちが暴れ続ける状態では学校が荒れる一方だと思った彼は
生徒たちにスポーツを覚えさせて健全な生活を送らせようと思い立つ。
自らスポーツ部を創設しそれまで敵対者だった番長連合の者たちに参加を呼びかける。
することになったスポーツはなんとキックボクシング! 
種目を決める過程や練習をさせる方法など赤城のかなり強引なところがみられるが
これぐらいしないと荒れていた生徒たちは更正しないと言いたいのだろう。
それにしても時代を感じる。
その当時沢村忠というボクサーが席巻していてマスコミは彼に求道的なイメージを作ろうとしていた
世間ではキックボクシングによいイメージばかりが先行していたのだろう。

番長は喧嘩が強くスポーツ万能で強いリーダーシップがあるが学科はからきしダメ
対してインテリと呼ばれる男子は家は貧しくガリベンで学科は優秀、けれど運動はダメ
水之江洋子と呼ばれるヒロインは勉強もスポーツもほどほど出来て容貌がよくみんなの憧れ
小瀬小次郎はお調子者で忠治の喧嘩強さを目の当たりにしてからは忠治の懐刀としてつるむ
学園モノによくある古いステロタイプなキャラクターのオンパレードである

鉄チャンとしておもしろく感じたのは主人公が使われなくなった路面電車の車体を
改造して作った家に住んでいると言うことだった。
昭和40年代全国の路面電車の廃止が相次いだ頃実際に大阪でそのような例があったと聞く