播磨路の鉄・3、山陽電鉄332号車

以前山陽新幹線の上り列車に乗っていたときのこと姫路~西明石間の加古川橋梁の手前あたりで山陽電車の車体がチラッと見えたのが目に焼きついた。山陽電車の路線はもっと南側を走っているし何故そんなものが見えたのかずっと気になっていた。そこで今回姫路まで行った帰り道それを探しに行くことにした。

 

事前にネットで調べたところ、置いてあるのは山陽で1985年まで使われていた300系の中間車332号でその所在地も知ることが出来た。山陽新幹線の真傍だが近在に鉄道駅はなく歩いていくには不便なところである。JRを加古川で降りる。この駅には駅レンタサイクルがあるので自転車を借りて現地へ向かうことにする。国道2号線を西に進み加古川を渡り川べりを南下。国道250号線と交差したら山陽新幹線に向かってアプローチしていく。走りまくって約30分間、見つかった。

 

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個人所有のもので私有地内にある。折りよく所有者さんと出会うことが出来撮影することをご承諾いただいた。現所有者さんの先代が鉄道をお好きで1985年に退役したこの車輌を譲り受け、東二見の車庫から大型トラックで搬送したとのことで山陽新幹線の高架下を通るときはぶつからないかひやひやした、その日の新聞に載ったなどとお話を聞いた。

 

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ボールドウィンの台車。同僚車についていた同じ台車は廃車後生まれ故郷の米国へ運ばれたそうだ。今や日本でも貴重なものになった。車内は集会などが出来るように改装され時々使われているとのこと。また車体塗装は長年の色あせのため塗りなおしもされたそうで、元来の色に近いようペンキ屋さんに特別に調合してもらったとか。大切にされていることを嬉しく思った。

 

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すぐ向こうを新幹線が通り過ぎていく。

 

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最寄り駅は山陽電鉄伊保駅である。加古川へ戻る途中立ち寄った。でも駅から現場までの道は少しわかりにくい。自転車で訪れて正解。

 

所有者様、突然のお邪魔にも関わらず撮影ご許可ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。願わくば今後も末永く保存してくださいますよう。

 

2009.3.1撮