片上鉄道柵原駅跡

片上鉄道の終点柵原駅には廃止直前の1991年3月に訪れているが、このたび柵原ふれあい鉱山公園訪問の折にちょっと足を伸ばして駅跡を見てきた。

 

柵原への線路敷跡
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吉が原の一駅先が終点柵原であった。公園の線路が途切れた先もまだ線路敷は残っているのでもっと先まで走らせてほしいとの思いに駆られる。しかしすぐ先で廃止後介護施設が建てられ一部線路跡がその用地に転用されたため分断されている。

 

駅手前で道路をまたぐ
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廃止前と現在の写真を見比べよう。柵原駅手前で上の写真のような橋梁があった。現在橋台・線路は撤去されているが両端の橋脚は残っている。周囲は以前とあまり変わっていない。この橋を渡ってすぐ柵原構内に入る(写真左側)。

 

駅構内
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片上鉄道の駅舎は大部分の駅で同じような赤いとんがり屋根の木造建築だったが、柵原駅も同様だった。もはや駅舎は残っていないがホームは残っており線路も断片的に敷かれたままになっている。そして出発用の2灯式信号機とハエタタキがそのまま立っていた。駅跡はトラックなどの駐車場になっている。

 

ヤード跡
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これも廃止前と現在を見比べる。旅客駅の先にこのヤードが伸びていて、ここで採掘された鉱石を貨車に積み込んでいた。線路の果てる場所から旅客駅を望んだアングル。上の写真の時にはすでに貨物輸送が廃止されていてヤードは使われていなかったが積込用ホッパーは原型を留めていた。現在積込設備は撤去されただのコンクリートの壁と化している。鉱山は閉山されたが設備の一部は産廃物のリサイクル施設に使われているらしく昔ほどではないがトラックがここに発着する。

 

なお吉が原以南の片上鉄道の線路跡は大部分がサイクリングロードとして整備され「片鉄ロマン街道」と称されている。いくつかの鉄道施設が今も残され自転車で走れば往時の面影に浸ることができよう。