のってこバス(京都府久御山町コミュニティーバス)

京都市宇治市八幡市に囲まれ淀川と木津川にはさまれている久御山町は古くは農村地区だったが、戦後国道1号線が通るようになってから工業化が進むとともに京都や大阪のベッドタウンとして宅地化も進んだ。近年は高速道路も通りそのジャンクションの近傍に大型商業施設もできて町外からも買い物客がやってくる。モータリゼーションの波に乗り今後も発展が期待できる町である。ところが公共交通機関となると鉄道駅がなく鉄道に乗ろうとすると隣接市にある駅まで民営路線バスに乗る必要がある。その民営バスは隣接市へのアクセスとして機能してはいるが町内間の連絡機関として十分とはいえない。そこで久御山町自らが町内を巡行するバスを走らせることになった。それがのってこバスである。町外での知名度は低いが地元民の足として定着しつつある。もちろん町外の者も乗車可能だ。今回乗る機会を得た。

 

東ルート・西ルートの二系統があり相互に乗り継ぎ出来るようなダイヤになっている。運賃は一回150円(小児80円)だが乗り継ぎしても1回として乗れる。運賃支払いはスルッとKANSAIPITAPAが使える。また毎月最終日曜日は終日無料で乗れる。車両はどちらも小型の日野リエッセで運行されている。
①東ルート
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赤基調のジグソーパズル模様の車。運行業務は京阪バス京田辺営業所に委託されている。久御山町役場前を基点として町東南部にある工業地帯や団地をめぐって町内随一のショッピングセンター ジャスコ久御山店前を経由して久御山町役場前へ戻る循環路線である。所要42~44分。面白いのは循環路線でありながら同一方向ばかり走るのではなく1周すると今度は逆方向へ走り、時計回り・反時計回りを交互に繰り返すことである。西ルートとはジャスコ久御山店前で接続する。1日5往復。

 

②西ルート
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緑基調のジグソーパズル模様の車。運行業務は京阪宇治バス宇治営業所に委託されている。ジャスコ久御山店前を基点としてまだ農村風景の残る町北西部を通り桜の名所である東一口に寄り道してから淀川を渡り京都市伏見区にある京阪淀駅に着く。所要30分。普通は駅南側に着くが競馬開催日は混雑を避け駅北側へ回り所要32分となる。1日10往復。

 

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淀駅北側に着いた西ルートバス。この日はちょうど最終日曜日で無料で乗れた。

 

2011.1.30撮
 
後記  久御山町のってこバスの運行は中止された。