秋月

甘木から国道322号線を北東に約6km進んだところに秋月と言う町がある。ここもやはり朝倉市であるが平地に開けた甘木の町とは趣を異にした山間の城下町であり「筑前の小京都」と呼ばれている。甘木からバスの便もあるが甘木鉄道甘木駅に隣接する朝倉市観光協会ほとめく館でレンタサイクルを一日300円で借りられるのでそれを利用してエコな旅へと出てみよう。

 

道は322号線をまっすぐたどればいい。甘木の町並みを外れると次第に坂道となり小石原川沿いを登っていくと昔の偲ばれるような風情となっていく。歴史をさかのぼれば鎌倉時代1203年に秋月氏がこの地に山城を築城したことに始まる。戦国時代も代々秋月氏が守り続けたが1624年以降福岡藩黒田家の分家5万石街道筋の城下町として栄えた。

 

町の入り口にある目鏡橋
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1810年架橋。それまで掛けられていた板橋がたびたび流されていたが長崎に赴いた藩の者が長崎の眼鏡橋を見てこれと同様の橋を掛けようと願い藩主がそれに応えて築いたもの。春は桜に彩られる。

 

町へ入ると武家屋敷跡が並ぶ。
その一つ戸波半九郎屋敷跡
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今は「秋月郷土館」となっており秋月藩ゆかりの民俗資料と同地出身の土岐勝人氏収集の美術品など約400点が展示されている。このあたりも春は桜の名所である。

 

武家屋敷跡の果てにある黒門
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黒田藩により城が整備された折建てられた大手門跡である。福岡県文化財に指定されている。
黒門をくぐると城跡へと登る石段が続く。
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その先は現在垂裕神社となっている。秋は紅葉の名所である。

 

小京都と称する町があることを京都人として嬉しくないわけではないが、江戸時代以降京都の町のかなりの部分は公家と町人が住んでいて武士はあまり幅を利かせていなかった。武家屋敷があるとむしろ江戸に肖り「小江戸」としたほうが良いのではないかと正直感じる。