東武博物館

業平橋から2つ目の東向島には東武鉄道の歴史や技術を学べる「東武博物館」がある。規模は小さいが「鉄道博物館」の東武版といったところである。近くまで来たので立ち寄って行こう。

 

駅を出てすぐ隣が入り口である。
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博物館全体が線路の高架下にある。開館時間10:00~16:30.入館料大人200円、子供100円
かつて東武で走った実物車両12両が展示されている。現在特別展「東武特急の軌跡」開催中。

 

入場するとまず見られるのがB1形5号蒸気機関車
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明治32年開業に当たって英国ベヤーピーコック社から輸入された機関車のうちの1両。
国鉄払い下げではなく自社調達であるのが珍しく昭和40年まで使われた長寿な車両だった。

 

中庭にある5700形5701
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前面の形態、窓下の飾り帯から通称「ネコヒゲ」と呼ばれた戦後登場した特急車の先頭車。後年前面が貫通型に改造されたが博物館展示に当たって原型に復元された。車内も見学可能。補助座席がある。
そういえば日産マーチの前モデルは前面グリルがこの飾り帯のように上向き加減に取り付けられておりやはり猫の顔を想像させた。なお5700形は貫通型前面部カットも置いてある。

 

バスもある
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東武バスで使われていた1951年式日産180形キャブオーバーバス。ボンネット形に続き戦後一時期生産されたがやがてリヤエンジン形に取って代わられた。保存車がないまま姿を消したが某所で偶然発見され復元展示された。車内立ち入り可。

 

館外へ出ると

 

DRC1720形カットボディー
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特急けごんは多くの絵本にも描かれ子供たちの憧れの的で東武鉄道といえばこれと印象付けたインパクトは大きく一世を風靡した。車内も一部展示され座席に座ることもできる。行きに乗ったN700系のぞみの座席よりピッチが広くグリーン車並に思った。さらにビュッフェやサロン室の連結で当時としては最高の設備だったろう。そしてスピードアップ。この車両の登場で日光への乗客輸送は東武の圧勝となった。デザインは国鉄特急こだまの亜流と見る向きもあるが私は子供心にむしろ初代日産セドリックを見て遠い地にあるこの車両を連想した。
東武はどうも日産自動車に縁があるようだ。

 

日光軌道線200形203号
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国鉄日光駅から馬返まで走っていた軌道線。もともと精銅所の資材輸送のために敷かれた路線だったが戦後観光用に転用されそのとき新造された連接車。路面電車で乗務員扉があるのは珍しい。
しかし十数年で廃止となる。軌道線とはいえ結構きつい勾配を走っていたのではないか。私は現役の頃を知らない。

 

個性的な実物車両は他にもあり、東武の幅の広さを見て取れる。安全管理、運転シミュレーションの展示や鉄道模型ジオラマもあり子供づれにも受ける。ジオラマに早々と東京スカイツリーの模型も建てられている。高さ80cmほどのものだったが、この鉄道模型の縮尺が1/80であることを考えるとその高さは約8mほどにもなることになる。いくらなんでもそれは無理だね。

 

2012.2.11入場