五里ごり館特別展 城陽を走った電車の話

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城陽マラソンに出場したが、集合場所(文化パルク城陽)のすぐ傍で上記の特別展を行っていた。出走までの合間に見てきた。
現在の近鉄京都線の前身奈良電気鉄道の記録を主に集めたものだった。私の物心つく頃にはすでに近鉄になっていたので奈良電について特に記憶があるわけではない。しかし近鉄になってからも奈良電で作られた車両が外装を塗り替えられてしばらく使われていたのは記憶があり、車両写真には懐かしさを感じた。御陵前の高架、宇治川橋梁、巨椋池埋め立てなど建設に当たっては困難の連続にかかわらず昭和天皇のご大典に間に合わせるというスピード工事だった。しかし開通後も沿線は人口もまばらで「カラ電」といわれる有様。集客のためにさまざまな観光施設も作った。木津川橋梁の下に水泳場を作り夏季は臨時駅を設置した。そういえば京阪もこの下流の八幡に水泳場を設けていたことがあった。その昔木津川は澄んだ水だったのだろう。寺田にラグビー場を作った。戦争時代に入り閉鎖され土地は売却されてしまったが、現在その近くに京都パープルサンガSCの練習場があるのは何かの因縁かもしれない。桃山御陵前駅横に奈良電の本社ビルがあって近鉄合併後も残っていたが、今は商業施設に建て替えられた。
奈良電が築いた副次的な設備は現在ほとんど残っていないが線路は近鉄に受け継がれ桃山御陵前駅舎や宇治川橋梁は今も往時のままに使われている。奈良電時代城陽は久世郡の一部で市になるのは近鉄合併から10年近く経ってからだったが、奈良電はその発展の礎を築いた交通の一つであるといってよいだろう。ただ城陽市内に近鉄京都線の駅が3つあるがいずれも急行は停車しない。市内の東部を通るJR奈良線みやこ路快速城陽に停車するにもかかわらず。実は城陽市役所はJR城陽駅からが近い。今後街の発展の拠点がJR側に移る事もあるだろう。奈良電の創始者たちには少し残念なことか。

 

2012.3.11見学
場所 近鉄寺田より徒歩約5分 文化パルク城陽西館4階 城陽市歴史民俗資料館(五里ごり館) 
入場料 大人200円