出世稲荷、新天地へ

先日の新聞に京都市上京区にある出世稲荷が左京区大原の地に移転するとの記事が掲載された。
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20120608000076
そもそも豊臣秀吉が建てたといわれそのことから「出世稲荷」の名がついたという由緒ある神社で、場所的にもJR二条駅や二条城に近い便利のよい場所でありながら知名度は今ひとつだった。近年は氏子もなく運営は苦しい状態であったようである。このような理由で神様も引越しせざるを得ないとは世知辛い時代になった。

 

バス停
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その名もズバリ出世稲荷前という市電が走っていた頃からある停留所。神社のすぐ前でありビニールシートに覆われているのが神社の敷地である。すでに土地は売却され移転・撤去の工事が始まっている。この停留所の名前も変わるのだろうか。

 

告知の張り紙
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建物の老朽化と維持の困難さによる苦渋の決断であったことを訴えている。

 

まだ自由に立ち入りできる境内
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ただし本尊はすでに移転してしまった後である。
かつてはもっと広大な敷地があったのに切り売りして息をつないできたというからどうもその名に似つかわしくない行状である。しかし考えると徳川の時代になってもまだ生き残っていられたことがむしろ不思議なくらいだ。 

 

映画監督牧野省三から寄進された鳥居
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元々はもっといくつもの鳥居があったのだがすでに撤去されたようだ。今はビニールシートに遮られてこの下を通れない。いったん取り壊されて移築されることになる。神社で鳥居をくぐらないと言うのは… なんか変な感じ。

 

7月3日から新しい土地で参拝ができるようになる予定。新天地での発展を祈りたい。
2012.6.14撮