梅小路公園 市電ひろば

京都駅の西 梅小路SL館の東隣にある広大な梅小路公園内にこのほど「市電ひろば」と「すざくゆめ広場」が整備されそれぞれにかつて京の町を走っていた市電の車両が展示されることとなった。また以前より動態保存されていた「チンチン電車」(N電)がリニューアルされ新しい線路上を走ることとなった。

 

まずは公園に入ってみよう。

 

総合案内所
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京都市電の車両2両が総合案内所として使われることになった。七條側入り口に2001号、大宮側入り口に935号が置かれている。新車同然な状態にまず驚いた。車内は大方現役時代のままだが一部手を加えてあり係員の席や資料類置き場が設けられている。
左上:2001号外観 右上:同車車内 左下:935号車内 右下:935号外観
ここから公園内に入るが入場は無料。

 

チンチン電車
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七條側入り口から少し入るとすざくゆめ広場でその一角に市電展示室と駅舎がある。そこから約250mほどの線路が市電ひろば前まで伸びていてN電が運行されている。これまでの架線集電式に替わってリチウムイオン電池を動力に改造されている。1乗車150円、一日何度でも乗れる一日乗車券300円となっている。また市電展示室内には広軌1型29号車が保存され壁面には市内各所で撮影された市電の写真が展示されている。
左上:駅舎を出るN電 右上:市電ひろば前に到着して運転士がポールの向きを変える。しかしポールはダミーになった。 左下:市電ひろばから展示室へと戻る。後ろに京都水族館の建物や京都タワーが見える。 右下:市電展示室内に置かれている29号車

 

市電ひろば
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公園内ほぼ中央に市電車両4両が置かれた市電ひろばがある。屋根の下に置かれているので雨天でもゆっくり見られる。どの車輛も車内立ち入り自由で休憩場として利用できる。505号車はカフェ、703号車はスーベニアショップに改装されている。
左上:市電カフェになった505号車・左隅にカフェ室内、レトロな車内がカフェのムードにマッチしている。つり革の把手を模った「つりわパン」など販売している。 右上:広場アプローチ部、案内板が立てられその後方には市電ショップになっている703号車がある。その手前の床面にはかつての市電路線図が描かれている。 左下:703号車の後ろにある890号車、原形のまま保存されている。800型最後期のグループで乗り心地の良い車両だった。 右下:505号車の後ろにある1605号車、総合案内所の2001号車とともにワンマン化仕様になっている。 どれも今とてもきれいな状態だ。

 

お土産に
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市電ショップの703号車ではいろいろな京都名物や鉄道グッズが揃えられているがこれなど手ごろな土産ではないだろうか。市電茶だんご 3月30日時点で525円。市電を描いたパッケージに茶だんご24個が入っている。ただすべて緑の茶だんごというのも悪くはないが私だったら半分はきな粉だんごを入れベージュと緑のツートンにして往年の市電を彷彿とさせるのがいいと思うが。

 

ここに公開展示されることになった車両群はこれまで市内某所で非公開に保存されていたものでその状態を知る人は少なかった。私もその存在を耳にしたことはあったが詳細は知らなかった。市電が京都から消えて早36年、今ここにその姿を見るとよくこのような綺麗な状態で残しておいたものだと感動した。ここまでせっかく新車同様な状態で残してきたものを今後青天・衆人の下へ晒すのがどのような顛末になるのかいささか気になるところだが末永く保存していただきたいと思う。とまれ来年の鉄道博物館開館と相まってこの地域が鉄道の聖地として名が知られていくであろうし周辺の町おこしに役立てば市電たちも喜ぶであろう。

 

2014.3.30訪問