梅小路公園の車両の行く末は

華々しくお披露目された京都梅小路公園 市電ひろばの電車たちであるが現在のピカピカの姿を見るほどにこの先どうなるか気に病むのは杞憂だろうか。

 

梅小路公園からほぼ真北へ9kmほどのところに大宮交通公園がある。1969年京都市によって子供たちに正しい交通規則を身に着けてもらうための施設として作られた。現在京都市都市整備公社に委託運営されている。開業当初は多くの子供たちでにぎわったが、施設が老朽化し少子高齢化の進んだ現在かつての賑わいはない。いかんせん市中心部から離れており駐車場も少なくアクセスが不便なことが大きい。
ここにも京都市電の車両が2台保存されている。N電6号と1860号車である。

 

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どちらも屋根付きで内部が児童図書館として開放されている。いくらかの手入れがなされていることは認められ決して悪い状態ではない。しかし開業以来四十数年の歳月の経過は隠しようがない。梅小路の車両と見比べると痛々しさを覚える。

 

そしてここにある車両は今の子供たちにとって愛着の湧く存在であろうか。
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市電を知っていた世代と今の子供たちでは同じ空間に対しても感じ方は違う。今の子供たちにとってここでゆっくり読書にいそしもうという雰囲気ではない。永代にわたって親しまれていくということはやさしいことではない。京都市の限られた予算を次世代の人間にそっぽを向かれる建造物の維持へ回すことは年を追って難しくなってゆくだろう。そのことは他でもなく梅小路に置かれた電車たちにも言えることだ。現在の状態が維持できる予算がどこまでつけられるか、その前例がここにあるような思いがする。