昭和38年 レールバスの写真

千葉紀行の写真もう一枚
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今のいすみ鉄道である国鉄木原線で当時使用されていたキハ01型レールバス
1963.10.21 大原駅構内にて

 

1953年に欧州視察から帰った当時の国鉄総裁により彼の国に倣って国鉄でも閑散線区にレールバスを走らせるべしとの鶴の一声がかけられたが国鉄内部技術現場では導入に消極的だった。というのは当時すでに局内では液体変速機を用いた駆動による気動車の開発が進められており、それにより気動車の大型化長大編成化と高速化の見込みが立っていたからだ。何も今ここでわざわざ旧式機構を受け継いだ小型車を作ってもメリットがないと考えられていたのだ。それでも上からの指示とあっては断ることもできず試験的導入ということで1955~57年に少数が製造され形態や寒冷対策によりキハ01,02.03の3形式が作られた。そして各地の輸送密度の小さな路線に投入された。キハ01型は主にこの木原線に配置された。

 

使ってみるとやはり収容力の小ささが露呈し通勤などの多客時に対応できず総括制御もできない。速度も出ないのでスピードアップに寄与しない。2軸単車のため駆動軸への負荷が大きくて騒音が発生しやすく乗り心地も悪くて乗客からの評判もよくなかった。また出力が小さい分車体の軽量化を計ってバスの車体に用いるような鋼材を使ったので耐久性がなく補修の手間が余計にかかり保守現場からも苦情が多かった。そんなこんなで10年ほどで早々運用は中止され後発の液体式気動車に置き換えられた。技術陣からすればそれ見たことかという思いだったろう。写真左端の1両は休車中の様な雰囲気が漂っている。我が家に残るレールバスの写真はこれが唯一のものである。