郵政民営化されて数年後

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国鉄がJRとなって収益性が向上したが、非採算の部門はずいぶん切り捨てられた。中でもそれはあんまりではないかと思えるのが新幹線完成後平行在来線を第3セクター化したことだ。東北、長野、九州などかつて幹線と呼ばれていた路線が容赦なくJRから切り離された。もっともそれを引き起こしたのは一人JRのせいではなくむしろ新幹線建設を国に働きかけた地元有料者の陳情、運輸族議員の政治力、猫の目の国政などによるところが大きい。国鉄時代全国が狭軌の在来線で一本のレールで結ばれ一つの公営機関で運営されることにより定時で安全な同レベルの運賃による運行を保っていた。これこそが本来の全国一律サービスだと思う。しかし新幹線建設の政治圧力を任ずる人たちの訴えは新幹線のない地域の住民が新幹線の走る地域の住民と同じサービスを受けていないのは差別だというのである。彼らは新幹線建設で地元が請け負う代償のことなど頭にないのだろう。新幹線開業により在来線が分離されるのであれば大都市圏で新幹線・在来線をともにJRが運営している状態とは差がつけられるのであり、結局どう転んでも同じサービスは受けられないのである。新幹線を通す一方で平行在来線を地元住民からの住民税でまかなった出資金で起こした第3セクターで引き受けさらにその上JR時代の倍以上でJRと合算できない運賃を利用者が支払わなければならないことは経済的観念から見た全国一律サービスという点からいかがなものであろうか。

郵政民営化されて数年後、「ジャパン・ポスト(JP)」は郵便物の高速配達ネットを確立させてネット化地域同士なら午後3時までに発送すればその日のうちに到着できるようになった。ただこれを利用するには高速料金が必要となる。ネット開業後は従来のはがき・封書事業は不採算となるのでJPは撤退しこれを地元自治体・企業が出資した第3セクター郵送会社に譲渡する。その暁にははがき100円、封書200円となる。……そんなことになるなら民営化なんていらないよ!