16番 ペーパーキット組立 阪急2800 2連

6月にボークス京都店で行われた「レールエキスポ2015」の中で店頭に並んでいたある製品に目が留まった。

 

マッハ模型製 阪急2800系ペーパーキット
イメージ 1

忘れもしないかれこれ40年以上も前、私が中学生の頃売られていた製品だ。カツミのEB型電機で鉄道模型を始めて1年余、所有していたのは初心者向けの小型車両の完成品ばかりでそろそろ何かキットを組んでみたいと思っていたころだった。そんな時に雑誌の広告で見かけたこの製品、私の好奇心を揺り動かしさっそく1両分取り寄せた。紙製なら工作は簡単だろうなどと思ったのが間違いの元、窓枠の貼り付け、側面と妻の接合、屋根板の整形など組み立てのイロハも知らない小僧には難題の連続。屋根板の幅を切りこみすぎてあえなく音を上げ中学生のとっての大枚300円はあわれ紙くずと化した。そしてあのキットはいつしか市場から消えていたのであった。

 

ここで会ったが100年目、あの日の雪辱を果たしてやろうとしばらく大人しかった製作魂がメラメラと燃え上がったのであった。店員に声をかけこの製品をちょっと見せてと頼んだ。店員氏、少し意外そうな顔をして「お客さん、ペーパーキットを組まれたことがありますか?」とのたまう。もう何台も作ったというと安心したような顔をして箱の中身を見せてくれた。車体裾のRや外向きに出ている窓枠の表現などほかのキットにはない工法が求められ「難易度の高いことで有名なキットですよ」と忠告された。しかしここで怯んではなるまじ。1両300円、あのころの値段のままだ。今ならたとえ失敗してももったいなくはない。10箱以上置いてあったがほとんど中間車のもの。完成させる自信はあるが体力的にも金銭的にもフル編成作る気力はない。1つだけ先頭車が残っていて先頭、中間1つづつ買った。中間車は先頭化改造して2連にするつもり。

 

この夏は暑かった。
イメージ 2

暑さでバテバテ、日曜休日もあまり外出しなかった。家の中でひたすら模型製作に打ち込んでいた。台車、パンタ、床下機器など手持ちのストックが流用できて新たに買う必要があったのは動力と塗料くらいだった。難しい工作も腰を据えて取り組み何とか乗りきった。そして夏は過ぎていった。

 

8月最後の日曜日
イメージ 3

本体が2両とも完成。試運転で少しトラブルがあったが微修正で調子よく走るようになった。しかし完成というには何か物足らない。かつての花形車両にふさわしい花がないのだ。その日ヤフオク鉄道模型欄を開けてみるといいものが出品されていた。入札

 

そしてきょう
イメージ 4

イメージ 5

無事落札、それは阪急用HMのシールだった。本日到着してさっそく使用。特急車時代の2800がつけていた京都線特急の表示板を両車の前面腰板左右に貼り付ける。若干オーバースケール気味なようだがこの位のほうが見栄えがしていい。前照灯、車内灯を点灯させ有川浩の「阪急電車」をバックに置いたところをパチリ。本日をもって完成とする。いやあ~、組み応えのあるキットで楽しませてもらった。