地上駅時代の京阪四条駅と1300系

 

昭和58年12月京阪線は架線電圧が1500Vに昇圧された。それによりこのときかなりの数の車両が入れ替わった。600、1300、1700といった吊り掛け駆動の旧型車がいっせいに廃車となった。1300は戦後統制経済のもと運輸省規格型として作られたもので内装が木製のクラシカルな車両だった。デビュー時特急に使われたこともあったが、晩期は4連の支線運用が多かった。それでも当時の宇治線普通は三条まで乗り入れていたから最後まで本線で見る機会は多かった。

 

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1枚目。その年の10月残りわずかの活躍となった1300系を四条で待ち構えた。すでに地下化工事は始まっている。下りホームが仮駅となっている。完成はこの4年後である。

 

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2枚目。昭和55年4月撮影。これが本来の下りホームである。2階がレストランになっていて、子供の頃祖母に連れられ電車を眺めながら食事したのが嬉しかった。この翌年取り壊されて仮駅になったと記憶する。


当時京阪はイベント運転なんてほとんどすることがなかった。今ならこれだけ一斉に入れ替えが起こるとなると盛大なお別れ運転をしたことだろうに1300系はそれを知る由もない。静かに去っていった電車である。