Golden Slumbers

朝起きて眠たい目をこすってテレビをつけたらトリノ五輪女子フィギアスケートをやっていた。日本の選手が注目されている。安藤は一足先に出場して荒川と村主の出番だ。メダルに手の届く位置とは言われながらもSPでは強豪アメリカとロシアの選手が立ちふさがって3,4位につけている。ここは一発奮起がほしいところだ。いよいよフリーの演技始まる。先にアメリカのコーエンが出てきて滑り出す。SPでは完璧だったが今回どこかからだが硬い。そしてジャンプに入ってまさかの転倒。「あ~っ!」私はこれで目がさめた。「もしかして逆転できるかも…」そして荒川の登場。これも目のさめるコスチューム。演技が始まる。コンビネーションジャンプで大きな冒険をせず3回転2回転を手堅く決める。あとは思いのままに身体をくねらせ回らせすべりまくりイナバウアーを見せて盛り上げる銀盤の女王の姿があった。女王の選んだ曲は歌劇「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」!もう眠気など吹っ飛びましたよ。なぜ転ばない、なぜこんなに脚を挙げられる、なぜこんなに反ることが出来る。???三つの謎を提示されて答えられない者達の首は切り落とされてしまいそうだ。万来の拍手で彼女の演技は終わり、ポイントが出た。完璧な演技、総合でコーエンを上回った! あとはロシアのスルツカヤの最終演技次第。ミスなど考えられないこの選手にあろうことかこれまた転倒! この瞬間女神が荒川に微笑んだ。フィギア女子でアジア発の金メダル。これはまどろみではない。無欲の挑戦をした荒川が手にした真実の金だった。