名古屋市電最終日

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子供のころ名古屋市昭和区に親戚がいて、そこを訪問するときは名駅から市電に乗っていた。その路線が70年代初めに姿を消した。以後名古屋市電の廃止は急ピッチで進み、気がつけばあと1路線だけという状態になっていた。行こうと思えば機会はいくつもあったのに結局最後の見納めということになった。最後の路線は確か金山橋から新瑞橋を経て笠寺駅前までの区間だったと記憶する。

  全線廃止は1974年3月31日だった。

その日に乗りに行っている。面白いことにこの日名古屋市地下鉄名城線の金山~新瑞橋間が開業している。この日1日だけ金山~新瑞橋間に市電と地下鉄両方が走っていたのだ。そこでまず名鉄金山橋(これも懐かしい名前)へ行った。そこから行きは市電で新瑞橋まで乗り、帰りは地下鉄の新線に乗って戻ってきた。行きにずいぶん時間がかかったのが帰りあっという間に戻れてあっけなかった、そして市電はけっこう混んでいたが地下鉄は空いていて本当に今日開業なのかと疑った。新瑞橋笠寺駅前は乗らずに帰ってきた。もったいないことをした。
また子供のころは1900形とか2000形などの新型車に乗れる機会が多くその静かな乗り心地が気に入っていたが、このとき残っていたのは1300形とか1400形といった旧型車ばかりで少し幻滅した覚えがある。どこの市電でもメンテナンスの都合で高性能の新型車が先に淘汰され旧型車が残るという傾向があった。この同じ日限りで京都では市電烏丸線が廃止になったのだがこちらでも新しい700形が路線と運命をともにした。名古屋にいたため地元の京都市烏丸線の最後は見届けることができなかった。全国あちらこちらの都市で市電の廃止が聞こえてくる時代であった。

 

いい写真が残っていない。お見苦しい点をご容赦ください。
1974.3.31撮