大阪歴史博物館 柳宗悦展

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もう終了が迫っているが大阪歴史博物館で2月29日(水)まで6階の特別展示室において、特別展「柳 宗悦(やなぎむねよし)展 -暮らしへの眼差し- 」を開催中である。26日に午後から見に行ってきた。

 

以前京都文化博物館でも柳宗悦に関する展覧会が行われた
http://blogs.yahoo.co.jp/d19756236/23430159.html
同様な展示品とは思ったが、昨年はこれらを受け継いできた日本民藝館が開館75周年を迎えそして柳の没後50年にあたり改めて彼の功績を偲ぶよい時期となった。また昨年の暮れ亡くなったその長男で日本民藝館名誉館長だった柳宗理(やなぎむねみち)の仕事も紹介されている。代が変わって宗悦独自の審美眼はどのように引き継がれていったのだろうか。

 

西洋美術から出発し朝鮮の陶磁、工芸⇒木喰仏⇒琉球アイヌの織物・木工品などを経て日本各地の無名の職人たちの手によって生み出された日用雑器に美を見出し、河井寛治郎、濱田庄司、芹沢けい介、棟方志功、バーナードリーチたちの知己を得てその中でオピニオンリーダーとして民芸運動を進め新しい美の概念と工芸理論を展開した。それがどのようなものを指すのかを柳の蒐集した陶磁器や染織品、木漆工品、絵画や、宗悦自身の筆になる書、原稿、美しい装丁の私家本や写真などの関係資料377点によって見て行くことができる。

 

また展示の最後のほうには宗悦の長男、宗理がプロダクトデザイナーとして手がけた食器やインテリアなどの作品もあわせて展示されている。日常生活で扱うさまざまな器具はそれが人間の手によって使うことを意識するとおのずと造形美を生み出すものである。宗悦によって提起されたそのような「無為の美」は宗理によって現代社会の中で形になり受け継がれていった。

 

開催期間は明日まで、お急ぎください