ずいぶん前に名古屋のリニア鉄道館に行っているがそこにクモハ52004と新幹線123-1が展示されている。東海道新幹線と飯田線とともに現在のJR東海管内の路線で活躍していたよしみで今同じ屋根の下で過ごしている。ともにそれまでの画一的な従来車のデザインから脱却を図ってセンセーショナルな登場をした。そしてさらに共通していることがある。
それぞれ先行試作車があったことだ。52系の第一編成そして100系の9001編成(X1)が存在した。面白いのは試作車編成では客室窓が小窓だったのが後続量産車では大窓になったことも共通している。それがずっと続くのかと思いきや後に続くモハ54や300系ではまた小窓に戻ってしまった。52系の系譜をひく在来線近郊型車両とりわけJR東海の313系は一つの形式の中で小窓のものや大窓のものが混在しており血のつながりを感じる。もっとも新幹線の方は今ではどの路線のどの車両も小窓が続いていて大窓への回帰はもはや見られない。N700系が登場したとき何と小さな窓だろうと嘆きにも似た驚きを禁じ得なかったが、実際乗ってみて窓間の柱が広くなった分上着掛けのフックが2つあるのに気が付いた。すべての乗客に均質なサービスを供するには小窓である必要があるのかもしれない。