ゆめはんなに乗ってきた

イメージ 1

先月27日に開業した近鉄けいはんな線生駒~学研奈良登美が丘間に乗ってきた。近鉄の線名はこれまでの「東大阪線」と新線をあわせて「けいはんな線」となったが、さらにこれと接続している大阪地下鉄中央線をも合わせた統合愛称は「ゆめはんな」とされた。「けい」を外された京都としては心穏やかではないが、実際まだ京都まで線路が来ていないのだから仕方ない。年度も押し詰まっている月曜日に開業というのはちょっと珍しいのではないか。開業後初の休日ということで今日は大勢乗りに来ているだろうと予想して出かけた。

 

イメージ 3

天候に恵まれず時に雷鳴も聞こえるような荒天だった。そのせいもあろうかとは思うが、奈良線生駒駅に降り立って乗り換えると拍子抜けしてしまった。真新しい6連の電車にどの車両も10人ほどしか乗っていない。物見高い人たちはもうすでに乗りに来たのだろうか。しかし加速はよい。あっという間に市営地下鉄区間ではこんなに出ないだろうという速さになって隣の奈良線の普通電車を抜いていった。ほどなく東生駒トンネルに入る。トンネルを出た先の次の駅白庭台は掘割にあるが駅舎が覆い被さるように立っていて一見地下駅のようだ。この駅から地上に出て小さなトンネルの後高架になり学研北生駒着。ここで乗客の半分以上が降りた。この一駅は近い。実は復路でこの一駅を歩いてみたのだが、路線が直線に通っているのに道路は「く」の字に迂回して山を避けている。山を貫いて新線を通したのだ。周辺には農地農家がまだ残り宅地化はこれからだ。北生駒を出てまた一つトンネルを抜け電車の留置線を横に見ながらほぼ直線に進んで3分ほどで終点奈良登美が丘となる。駅前に大手スーパーが建設中だったが、駅の周囲に今はこれといった設備もない。ホームにも人はまばら。

 

イメージ 2

この先さらに延伸して京都線と結ぶ計画もあるが具体化していない。車止めの先にはまた山が迫っていてゆく手を阻む。すでに廃止されたJR可部線三段峡駅を思い起こさせた。因みにこの山を貫き東へ直進すれば京都線高の原駅に至るが、現在この区間を走っているバス路線は1時間に1本程度で輸送需要のほどが知れる。直進してしまうとその北東にある京阪奈学研都市を素通りになり見込める輸送需要をみすみす逃すことになる。だから北東方向へ進めて新祝園と結ぶ方が得策と思われるが技術面・コスト面などで調整がつかないらしい。

 

イメージ 4

とにかく今回できた区間に乗客を増やすことが先決だ。開業1週間も経ずにあれでは行く末をやや案じざるを得ない。開通区間は8.6kmだがその運賃が320円は高い。建設コストを上乗せしたという理由だろうが、JR東西線の場合はそのような上乗せ運賃を設定しなかった。距離で言えば難波~八戸ノ里に相当するが同区間は250円である。同じ近鉄でそんな差が出るのは乗客増の足かせになるような気がする。