153系新快速

関西圏の新快速は1970年10月から運行が始まった。当初は113系の7連で1時間に1本程度京都~西明石間だけに入っていたが快速も113系の中で少数の運行ではさほど目立たなかった。ところが1972年3月新幹線岡山開業に伴ってそれまで山陽本線に走っていた153系の急行電車が廃止されその余剰となった車両を活用すべく外装も新たに塗り替えて6両編成にそろえられて一挙に新快速に投入された。塗色からブルーライナーと呼ばれた。昼間に15分ヘッドと本数も増え、また運転区間草津西明石または京都~姫路と延長された。特急や急行が去ってスジに余裕のできた東海道山陽線の列車線を使って急行なみのスピード、停車駅、居住性が実現できた。京都~大阪間ノンストップで29分というのは驚異だった。
これにより乗客も増えていったが153系の構造では乗降に時間がかかり遅延の原因になりつつあった。そこで1979年には客用扉の広い117系が新製されてその年から翌年にかけて153系と置き換えられていった。デビューからすでに20年以上が経ち153系はさすがにくたびれてきてしばらくは不定期運用などに使われていたがほどなく引退していった。新快速用としての153系は新製ではなかったが、あの軽快そうなツートンカラーは斬新で乗っていても速く感じた。今も紀勢線の113系に見られるあの色は思い出深い。

 

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①1974.9 京都に停車中の西明石行き

 

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②1976.7 向日町付近を走る新快速

 

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③1980.4.29 時々コメント下さるムガさんより提供を受けた写真。一見しただけでよくわからないがこの写真は静岡で撮られた由。湘南色の元修学旅行用電車と混結だったという。この時期すでに新快速運用から離脱していた編成が色を変えずに意外なところへ転属していたようだ。