JR木次線に乗った

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10月14日の鉄道の日を記念してJR西日本が9月30日~10月16日の期間限定で西日本乗り放題切符を一人分3000円で売り出している。JR西日本管内なら一日自由に普通列車に乗れるという切符、いわば青春18切符の西日本限定秋版と言うようなもので、これを利用して去る10月10日木次線全線走破に行ってきた。夜行バスで松江まで行きそこから普通で同線など経由してその日のうちに家に帰るのだ。しかしこの路線走破一筋縄でいかない。区間によっては一日三本しかないところもあり、うまく予定を組んで乗らないと家にたどり着けない。

山陰本線宍道まで乗り木次線に乗り換える。山陰本線宍道芸備線備後落合を結ぶ木次線はかつては陰陽連絡路線の一翼を担う幹線路で、広島~松江・米子を結ぶDC急行「ちどり」が日に3本設定されその内の一本は夜行だった。だが今は往時の繁栄は見る影もなくローカル列車が淡々と走っているに過ぎない。宍道7時40分発の普通木次行きは最近JR西日本の非電化閑散線区の主力となったキハ120の単行ワンマン運転。休日とあって乗る人はまばら。終点木次まで乗る。ここで次ぎの季節列車「奥出雲おろち号」が来るまで町を散策。

同線随一の駅木次は斐伊川沿いにできた街道筋の集落で昨年10月に6つの町村が合併して出来た雲南市の中心部でもある。駅前にスーパーが建っていたり広い道路が通っていたりするがこれと言った名所はない。川沿いの桜並木、春には見事なのだろうが。何しろ朝8時~10時では空いている店も少ない。タクシーで「道の駅・さくらの里きすき」へ行くのがおすすめ。9時から空いており地場の名産品が手に入る。

10時木次発、「奥出雲おろち号」は最近各地で見るようになったトロッコ列車の一つである。DLと客車2両の編成で1両はオープンデッキ車である。山間の勾配や急カーブの続く区間を各駅に止まりながらゆっくりと走る。車内には車掌の他に観光ガイド氏も同乗し沿線の風物を説明してくれる。トンネルに入る度客車天井のおろちのイルミネーションが輝く。亀嵩はお蕎麦屋さんの駅としていまや有名になって頼んでおけば列車に持ってきてくれる。もちろん予約しておいて買った。この列車備後落合まで行くが急ぐことはない。その先の接続がなく、結局次の列車で行っても同じことなのだ。10時58分出雲横田着。ここで降りてつぎが来るまで時間を潰そう。亀嵩のおそばもここの駅舎で食べる。あっさりといい味。

横田は山間に開けたこじんまりとした町である。従来横田町だったのが最近合併で奥出雲町の一部となった。古来より「たたら」と呼ばれる砂鉄から鉄鋼を精製する技術が伝わってきた。またそろばんの産地としても知られる。待ち時間の間に「たたら刀剣館」「そろばん伝統産業館」の見学をするとよい。

12時57分横田発備後落合行きに乗る。この区間定期列車は一日3本しかない。だが鉄ちゃんにとってここをはずすことは出来ない。それは島根・広島県境に位置する出雲坂根スイッチバックがあるからだ。13時17分到着、4分停車。構内に湧き水が出ている。この水をもらおうと1,5lのPETボトルを用意してきた。標高差167mを運転手は車内を2回行き来してスイッチバックを運転して上がっていく。越えると右手下方に出雲坂根駅が見える。そのあと道路のおろちループの雄大な眺めが楽しめる。とまれ、先に急行「ちどり」に夜行があったことを書いたが、急勾配・急カーブそしてこのスイッチバック、さらには冬は大雪も降ると言うところを真夜中に走らせるなど並大抵の労力ではないと思えた。13時58分備後落合着。芸備線との分岐駅であるが無人駅。周りには数軒の民家がある他は何もなし。でもちょっと歩いてみたいなと思いもむなし。この辺にしては珍しくすごく接続がいい。三次行き3分の接続、新見行き5分の接続。追われるように乗り換えて備後落合を後にする。ひと時賑わったホームにはもう静けさが戻っていた。

一枚目木次を出発した宍道行き普通。2枚目出雲三成で列車交換。3枚目幡屋、こんな急カーブがいくつも続く。小さい駅はもちろん無人でホーム有効長は3両分くらいのところが多い。