所持品、刷毛目鉄絵俵壷

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蒐集駆け出しで眼力もなかった頃買った物。今なら買わないという見本。恥をしのんでお見せします。
ひなびた店にぽつんと置いてあって思わず目が行った。なんだか鶏龍山のものに似ている。店主に聞いたら李朝のものだという。値段も引いてくれると言う。こりゃ掘り出し物なんて思ってわくわくして買ってしまった。
家に帰って開けてみてしばらくは嬉しくて眺めていたが、みている内になんか変だぞと思えてきた。どうも気品を感じられない。床の間においてもどうも据わりが悪くて落ち着かない。砲弾みたいな胴体がアンバランスなのだ。俵壷でこんな形にするものかな、
塗りの仕上げが雑だ。李朝の焼物の多くは民具として使われたものだが、それにしても人に使ってもらうものにここまでやっつけ仕事な刷毛塗りをするだろうか。後日大阪の東洋陶磁美術館へ行く機会があり、展示されている鶏龍山のものを見てみたらやはり釉の色合いは違うし、雑なようできちんと塗っている。
致命的なのは水を入れたら漏れてきた。これでは花瓶には使えない、さりとて飾りとしての鑑賞に堪えるものではない。
どうも李朝でないような気がする。捨てるわけにも行かずお蔵で眠らせている。久々に出してきて本日撮影。粗悪見本…