夏に乗りたい路線・南海加太線

また南海なのでえこひいきのように思われるかもしれないが、南の海なんて会社名からして夏向きな名前だし夏に登場させたくなるのも仕方ない。

  何回も南海、ナンチャッテ

今回は南海線の支線加太線である。和歌山市から紀ノ川鉄橋を渡り一駅戻って紀ノ川駅からこの支線が分岐している。他の南海の支線は**駅から「延びている」という感じだが、この加太線は文字通り本線から分岐している。一駅だけ本線に乗り入れているので支線に入るには分岐点を通る必要があるのだ。とはいえ支線の電車、車両こそ7100系であるがワンマン化された2連のものでこじんまりしている。支線に入って暫くは工場地帯で特に住友金属の工場があるのでこの線も社員の通勤用路線の性格が強い。しかしそれを抜け中点を越えると海が近づいてくる。それがさっきまで臨海工業地帯だったとは思えないようなリゾート海岸地帯なのだ。二里ヶ浜から磯ノ浦にかけては砂浜が線路の間近に見えてくる。夏は関西から手ごろな海水浴場で海水浴客が車窓から見られる。また磯の浦はサーフィンでもよく知られているところ。RV車が普及した今ではサーフィンに出かけるのは車が当たり前になったが、その昔はサーフボードを抱えて南海電車に乗ってきた若者も多かったそうな。磯ノ浦からさらに一駅間はのりでがある。トンネルや大きなSカーブを通って終点加太に着く。駅から加太国民休暇村への送迎バスが出ている。また駅から少し歩くと海の香りがしてくる。小さな波止場があり沖合いの友が島へ行く渡し舟が出ている。休暇村でゆったり寛ぐも良し、友が島でキャンプを営むも良し。この近海で取れた海の幸を味わえればまた格別であろう。いかに道路が整備され快適な車があろうとも私は電車で行きたい加太の夏である。
①磯の浦付近を走る電車
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②磯の浦にて
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③終点加太駅
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撮影は1993.6.9、皇太子ご成婚の日である