JR西 阪和線東羽衣支線

阪和線鳳からチョコンと一駅だけ飛び出た小さな支線東羽衣支線がある。終点の東羽衣はわざわざ「東」などとつけなくても南海羽衣駅の目の前にある。JR・南海ともお互い相手線への乗り換え案内もしているが、直通させるつもりなど全くない。この路線を作ったのは阪和線の前身である阪和電鉄だがすでに開業していた商売敵の真横に乗り込むとは大胆な戦法。コンビニ業界などでも先行開業しているA社の店の隣や真向かいにB社の店が開店するなどと言うのを見るが、図らずもこの駅を思い浮かべる。
どうしたものか阪和線から分岐する支線はほかに関西空港線紀勢線西端部なども南海と接続している。そして南海の方からはかつては天王寺支線というのがあって国鉄天王寺とつながっていた。古来両者は因縁浅からぬ縁である。

 

東羽衣駅
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国鉄時代から変わらぬ高架駅。この寄り付きの階段、今の時代ならバリアフリー対策が求められよう。とはいえみどりの窓口もある有人駅でICカードも使える。

 

同駅ホーム
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線路は1線しかないがホームはその両側にあり降車用乗車用に分かれている。通勤通学時間には人があふれるものと伺わせそれなりの存在価値があるようだ。JR西ではまだ頑張っている103系の3連がワンマンでピストン運転している。

 

その昔
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上と同じ場所で39年前に撮った写真。もちろん国鉄だったそのころ阪和線はまだ旧型国電のメッカでこの支線にも73系の3連が入っていた。古めかしく思えるが、考えてみると今走っている103系のほうがこの73系より長生きしているのだ。

 

鳳駅
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高架を走り抜けたのちカーブして本線に接近して構内進行。前記事の南海高師浜線と同じような構図だ。そのホームが本線から少し離れたところにあるのも同じである。だが紀州路快速も停まる阪和線随一の駅で乗り換えアクセス至便であり一定の利用者数がある。一駅の盲腸線とはいえこれからも生き続けていくことだろう。


2014.6.29乗車
3番目の写真は1975.11.23撮