消えたJR線・大社線

出雲市から北西へ大社まで伸びていた支線。支線ではあるが出雲大社への参拝客を運ぶため、かつては東京や大阪からの急行が入線する本線並の扱いを受けていた。終点大社は有名な神殿造りの古風な駅舎で夜行で到着した乗客のための洗面所も設置された大きな駅だった。この駅から出雲大社への参道が続く。駅舎は現在も保存されているが、今となっては町外れになりやはり乗客がないとうら寂しい。JRになってからは線内の普通だけの走る一ローカル線として細々走っていたが、モータリゼーションに抗しがたく鍛冶屋線と同じ1990年3月末で廃止となった。廃止前の2月12日に乗った。


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出雲市大社線ホームで出発を待つキハ47形2連の普通。同駅は現在高架化されているがこのときはまだ地平駅である。横に機関区も見える。


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大社線の行先表示板


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大社駅到着、結構乗り降りがあったが。

相変わらず地方のローカル線は前途多難である。国鉄やJRの赤字路線を引き受けた第3セクターにも当初は夢があっただろう。きのうで北海道のちほく鉄道ふるさと銀河線が廃止された。夢を託したメルヘンチックな名前も結局は夢破れ消えていく。今年度中には岐阜県神岡鉄道も廃止される。厳しい現実に直面しては第3セクターそのものの存続が危うい。状況は大社線のころから変わらずまだ続いていくようだ。