現在JR西日本・嵯峨嵐山と呼ばれている駅は以前は嵯峨と呼ばれていた。嵯峨は嵐山も含めたこの地域一帯をさす地名だが、嵐山のほうが有名になってその玄関口にふさわしい名前とされた。そのJR駅から約250mほど南へ下がったところに嵐電・嵯峨駅前がある。れっきとした鉄道が自社の駅を他の鉄道の駅の前に設置したからといって引け目に感じることもないし対等に共存すればよいことだと思う。嵯峨駅前という名前はかつての官設鉄道に対してへりくだったような感がある。それにJRの駅名が変わっているのに昔からのままでは実態が伴っていない。またこれまで京福は嵐電という名称を公式には使ってこなかったが、今後正式名として採用されることになった。そこでこの駅は時代に即して3月から「嵐電嵯峨」となる。
複線専用軌道で上下ホームが対向式に並ぶ無人駅である。今の駅名は上述のように乗換駅であることを示唆しているが車内で乗り換え案内のアナウンスはない。その点では別にへりくだってはいないようだ。次は終点嵐山、すぐ先にもう見えている。