京都府内最高峰皆子山

京都で一番高い山は? と聞かれて答えられる人は多くない。私も最近まで知らなかった。正解は京都市北部にある皆子山で標高971.5mである。あまり知られていないのは京都市にありながら京都の市街から見えないことが理由の一つであろう。京都府一と認定されたのも1923年というからそれまでは他の山と思われていたのだろう。関西の他の府県には1000m以上の山があるのに京都だけがない。あと1000m以上の山がない県といえば千葉、沖縄くらいか(不詳、違っていたらすみません)。それを知ってそのくらいなら私も登れるかなと思って行ってみたくなり昨日登ってきた。

 

アクセスは3ルートあるが比較的行きやすい寺谷ルートからにする。これなら登山口までバスで行ける。
イメージ 1
出町柳8:45発「坊村」行きの京都バス。高野川に沿って国道367号線を北上するが途中から滋賀県に入る。皆子山は府下最高峰とはいえ頂上が滋賀との県境になっている。登山口も滋賀県からになる。この便は休日しか運行されておらず平日なら7:45発「朽木学校前」行きに乗らねばならない。これらに乗りそびれたらもう夕方まで便はなくその日の登山はあきらめるしかない。

 

イメージ 2
約45分揺られて「平」という停留所で下車。登山者カードに名前、連絡先を書いて入れておいた。

 

イメージ 3
国道から別れしばらく林道を歩くが皆子山への道しるべがあってそこからが登山道。いきなり丸太橋がかかって渓流を渡る。流れが速く足元がすくむ。この先どんな道やら。

 

イメージ 4
小さな小屋を発見。しかしかなり痛んでおりもちろん誰もいない。道といっても大部分渓流に沿っているため何度もそれを渡る必要がある。道というべきかどうかもわからない。あちこちに赤いテープで目印がつけてありそれに従って登る。

 

イメージ 5
大きな岩の合間から滝が流れ出ている。涼しい光景ではあるが足場は悪く滑るとまっさかさまで怖い。このあたりで渓流から離れていくが、傾斜はますますきつくなり全身でよじ登るというのに近い。


イメージ 6
9合目あたりへ来ると突然視界が開ける。東のほうを眺めると琵琶湖や比良連山が見渡せる。向こうには雨雲がかかっているのか。

 

イメージ 7
歩き出して2時間弱、11:15登頂成功。下に見えるコンクリートの杭が三角点である。少し広々したところだがハエがたかってくるのに閉口する。ここで弁当にしようかと思っていたがやめた。

 

そして下り
イメージ 8
行きとは別ルートである皆子谷からヒノコ谷へのルートをとる。その道の始まりにはこのような木のアーチをくぐる。自然の造形に感動。少し降りた平坦な場所で弁当にした。

 

イメージ 9

 

イメージ 10
皆子谷というのが行きのルートの上を行くオフロードで、設置してあるロープにつかまり渓流を渡ったり崖っぷちをつたったりスリル満点。注意しなければならないのは渓流にヒルがいて血を吸われる恐れがある。装備は万全に。幸い私は吸われなかったが山で出会った夫婦連れの奥様のほうが吸われて足が赤くなっておられた。

 

イメージ 11
だいぶゴールに近づいたがここにも渓流を渡る丸木橋があった。踏むと微妙に揺れて膝に力が入らずよろけそうになった。だがこの先は平坦な道になる。

 

イメージ 12
やがてルアー用の釣堀を横に見てゴールに到着。ゴールといってもこの先自動車こそ通れるがバス停まではかなり離れている。ありがたいことに先述の夫婦連れの登山者のかたがここに車を止めておられてその帰り道にバス停まで同乗させていただいた。感謝、山での出会いは大切にしよう。

 

感想を一言で言えば今までに経験のないハードな山登りだった。1000m未満だからと見くびってはいけない。なおコンパクトデジカメを持っていたがそれでも歩行中手に持つのはもちろん首からかけるのも自分にもカメラにも危険である。リュックにしまって撮影のたびに立ち止まって取り出すようにした。だからスナップ的な記録は出来ずまたシャッターを押すのがやっとという場面もあった。一部見ずらい写真があるのはそのためである。ご容赦ください。 
すべて2008.6.15撮