福塩線・その２　備後矢野駅であったこと

12時46分、列車は備後矢野駅に到着した。今回この駅に立ち寄ることが最大の目的だったのだ。

この駅はJR営業としては無人駅で一日乗降客は21人と線内最少となっている。しかし実は業務を委託された民間人の駅長さんがいて、この駅長さんが駅舎内でうどん屋さんをされているのだ。何かの本でそのことを知り福塩線乗車の際はぜひ降りてうどんを食べていこうと考えていた。ちょうど昼時である。

備後矢野駅舎

駅の周りに民家はあるが店らしきものはない。静かな佇まい。

さあ中で食事をと思ったら

営業中と書いてありながら一方でガラス窓には本日は休業の張り紙が！。
誰も人の気配なし。次の列車まで2時間19分、どうしよう…。
駅の前でたたずんでいるとマイカーで家族連れがやってきて駅横に車を止め中に入ってきたが
奥さん「えぇ～っ、休みだって！」
がっかりして皆また車に乗って走り去っていった。
どうするか私も考えたが、近くに矢野温泉あやめ荘という保養施設があるのでタクシーを呼びそこへ行く事にした。日帰り入浴ができ食事も出来るようだ。腹ごしらえと休憩にちょうどいい。

タクシーで5分ほど13時20分ごろに着いた。入場料を払い、夕べから風呂も入っていないのでまずは入浴することに。広々していろいろな風呂がありまったりした気分。ついつい30分以上いただろうか。

上がってから食事をしようと場所を移る。大広間が舞台になっていて観劇しながら食事が出来るようになっている。何か手ごろなものを食べようとカウンターで頼もうとしたら
「オーダーストップが午後2時となっております。申し訳ありません」といわれ何も注文できなかった。
時計を見ると14時3分だった。タッチの差でまた食事にあぶれた。

仕方ない、列車に乗る前に何か食べるものを買おう。まだ列車が来るまで時間があるのでしばらく演劇を見ていて気を紛らわせたがやはり空腹が堪えてくる。タクシーを呼び駅へ戻ることにする。しかし矢野駅に戻っても何も駅前にないことは分かっているので一つ手前の上下駅まで行ってもらうことにする。

上下駅