大谷大学博物館

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現在開催中 

  祈りと造形 韓国仏教美術の名品

11月28日まで 日・月休み(ただし11月22・23日は開館)

 

大谷大学と「博物館交流協定」を締結している韓国・東國大學校博物館所蔵品を主とした特別展である。三国時代に中国大陸から伝来した仏教が朝鮮半島に定着していった途上で生み出された佛教美術が集められている。伝来当初は民衆から受け入れられず異次頓のようにわが身を断って信仰を広めようと殉教した者もいた。が、王が佛教を庇護した新羅が国力を増しやがて統一王朝を建てて佛教の地位は不動のものとなった。仏教文化を受け継いだ高麗王朝時代には仏教美術の造形は洗練され信仰の対象としての仏像が多く残されている。ところが次の朝鮮王朝時代には儒教が国是となり佛教に取って代わった。弾圧とか毀損といったラジカルな形はなかったとはいえ佛教は貴族たちの趣味教養程度の位置付けに留まる。それでこの時代に作られた仏像や絵図を見ると何かマスコット的できらきらしたものが目立つ。陶磁好きには「粉青沙器印花文舎利盒」の鮮やかな文様が目を引く。鎌倉後期以降幕府の庇護のもとに禅文化が広まりわび錆びが重んじられ佛教にも枯淡な落ち着きを求めていった日本の佛教文化とは好対照を成している。こじんまりした催しで展示物もそれほど多くはないが日本のそれとは一味違う隣国の佛教文化にしばし浸れた。