五新線遺構を歩く その2

吉野川対岸へ渡るには東にある大川橋まで大回りしなければならない。しばらく川べりを歩く。散策の道としては悪くない。

 

対岸へ着いた
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先に北岸から見た橋脚跡に近づくとその南側から築堤が伸びているのが見られる。北側ではコンクリートの高架だったがこちらでは盛土になっている。こちらには立ち入れたので(ただし雑草が伸びたままだが)辿って歩く。桜の木のそばで花見をしている人たちの横を通りすぎる。

 

私道との交差
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橋桁と切り通しはコンクリート製である。竣工年月は1958-3と読める。もう60年近くも前にできていながら使われることは全くなかったのだ。その先の築堤の上も少し歩くがやがて建設会社の私有地に入り込むのでこれを降り東を通る国道168号線へ出て築堤を見ながら歩く。

 

国道168号線との交差
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県立五條病院からもう少し下がったところで国道と交差する。この後線路跡はこの国道とつかず離れず何度か交差しながら並行するのだが。

 

その先では
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レールの敷かれることがなかった線路敷はここから10kmほど五条市南部の城戸(じょうど)というところまでバス専用道として整備された。はじめは国鉄⇒JRバスの路線だったが後に奈良交通に引き継がれた。しかしそれも一昨年廃線となり現在この道路は使われることなく五條市の市有地となっている。

 

農道をくぐる
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いかにも鉄道用地の建造物という風情である。この下をキハ40あたりの気動車が走って行く姿を容易に想像できる。やがて切通しを抜けると広々した農地の中を進む。

 

市道との交差
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自動車道同士だが踏切のようになっている。写真で縦方向の道が五新線跡のバス専用道である。遮断機の跡が残っているが専用道のほうが遮断されるようになっている。事故防止の意味よりは専用道へバス以外の車両が入らぬようにするためであろう。
専用道跡をかれこれ2kmほど歩いたがまだまだ先へと続いている。もっと行きたい気持ちはあるが徒歩では今日一日で歩ききれない。今日はここまでとし引き返すことにした。

 

注) 使われていないこの道が今もバス専用道であったとしたら歩行者の立ち入りは禁止されているだろうしこのような探訪はできなかっただろう。そういう意味では廃線となっているのは幸運だったかもしれない。現在市有地となって立ち入りは禁止されてはいない。ただし事故があった場合市は一切責任は負わないとの立場である。
サイクリングロードなどとして再活用される日を待ち望むものである。

 

2016.4.3訪問

 

専用道を走るバスの動画
⇒ https://www.youtube.com/watch?v=HJnbBHINo24