別府鉄道は旧国鉄高砂線野口からと山陽本線土山からそれぞれ別府港に向かう野口線、土山線からなる兵庫県の小私鉄であった。一般客も乗車できたが別府港にある多木化学の工場への専用線の性格が強かった。だから輸送は当然貨物主体だったのだが国鉄末期の貨物扱い削減のあおりを受けて輸送が困難になり１９８４年１月末で廃止になった。なお当線と接続していた国鉄高砂線も程なく廃止になった。
この鉄道には廃止直前の１月１６日に行っている。だが残っている写真があまり多くない。土山線や別府港駅周辺も撮ったはずなのだが、ネガが行方不明。あるのは野口駅周辺で撮ったカットばかりである。実はこの３年前にも見に行ってるのだがそのときはカメラが不調で撮影できなかった。その雪辱で廃止直前に慌てて行ったわけだが、結局記録が完全に残せてない。この鉄道はよほど撮影運がなかった。
でも土山線のＤＬに引かれたあの２軸客車の線路の振動がダイレクトに伝わるような乗り心地は忘れられない。その記憶を残してよしとしよう。
