「出雲」よ、お前もか

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昨日の新聞によるとJR西日本が来年3月のダイヤ改正で「出雲」の廃止を検討しているとのこと。飛行機や高速バスに押され乗客減が続き最近の一日平均乗客数が約80人とピーク時の1/3になっているという。「運行が非効率で車両が老朽化しており、東京の車両基地も手狭になっている」とJR西日本の説明。沿線各自治体にも伝えたが、兵庫・鳥取・島根各県は存続を要望している。

 

JRの夜行特急の凋落が著しい。ここ数年で「みずほ」「さくら」「あさかぜ」などがなくなり去る10月のダイヤ改正では「彗星」が姿を消した。かつて走るホテルと呼ばれ豪華編成を組み多数の乗客を乗せていたのが見る影もない。一日平均80人では2両連結で事足りる。

 

カシオペア」「北斗星」「トワイライト」は今も人気が高く豪華編成を走らせているのとは対照的である。北海道行き以外にはそのような需要がないのだろうか。餘部鉄橋を渡りながらカニ料理を食べられる食堂車などというのはできないのだろうか。車両が老朽化しているという。しかし「北斗星」も「トワイライト」も同じ頃作られた車両をリニュウアルして使っている。「出雲」だけがそんなに苦情があるとは思えない。「サンライズ出雲」があるから大丈夫ともいう。でも鳥取東部から京都府北部の沿線から東京直行の手段がなくなる。
あるいは高速バスが夜行列車の存続を脅かすということは夜間移動をする乗客の絶対数は減っていないということだ。バスのほうが安価に利用できるので経済性を重んじる客は移っていったのだろう。「出雲」に関してJRは何か対抗策を打ち出しただろうか。全車寝台である必要はないだろう。「あかつき」にあるような座席車も併結するとか「あけぼの」のように一部の寝台をゴロントシートに開放して乗客に選択の幅を持たせるとかできないものだろうか。

 

関西人にとっては山陰方面に行くのに使うのは難しいが、上り東京行きは使いようがある。私は19994年10月に学会へ行くときに使ったことがある。「銀河」があるのにと思われるかも知れないが、当時私も忙しくて夜11時頃まで仕事していたので、「銀河」にも「ドリーム」にも乗れなかった。京都発が0時30分位の『出雲」が唯一乗れたのだ。これに乗ると東京着が6時57分で「銀河」とは15分ほどしか違わない。さすが特急である。東京に着いたら東京温泉で一風呂浴びて朝食を済ませ余裕で会場に入ることが出来る。朝一の「のぞみ」だとそんな余裕がないし第一早起きがつらい。まあ今は「銀河」でも「ドリーム」でも乗れるけど、私は今でも「出雲」は重宝な列車という印象がある。

 

戦後間もない頃急行「出雲」として誕生し50余年走り続けてきた名門列車で、「あさかぜ」より古い。山陰線が不便になる代償として新幹線誘致という議論になれば結局は高くつく。需要がないわけでなく客が乗るも乗らないもアイデア・使い方次第。何とか残すてだてはないのか。

 

1994年10月29日、東京に着いた上り出雲