近江鉄道その2・1991

新幹線が停車し東海道線北陸線の分岐駅でかつJR東海JR西日本の境界駅となる米原駅は大ジャンクションであるがその一角に時代から取り残されたような古めかしい建物があり「近鉄電車のりば」と表示がある。「?、滋賀県近鉄…」とビビル貴方は県外の人。近江鉄道略して近鉄である。実はこちらのほうが古くから呼ばれているのだが。ここから貴生川まで47.7kmを延々約1時間半かける旅を楽しみましょう。1991年8月に乗りました。切符は出札口で駅員さんから買いました。硬券だったのを覚えています。ここから貴生川行きも出ているがどちらかというと近江八幡行きのほうが多い。乗ったのは500形2連の近江八幡行きだったので八日市乗換えとなる。直線の多い路線なのにまあゆっくり走る。新幹線と並行するところが続くがその間に2本抜かれた。差がありすぎ、デッドヒートなどという緊迫感がまったくない。どうぞお先にと単線をトコトコ走っては停まり停まっては交換待ち。1時間弱で八日市に着いたがこれがまたクラシカルな駅だった。木造の駅舎やホーム屋根。ホームを移るのに線路の上を渡るのだ。次の貴生川行き発車まで15分ほどあった。ここからは岳南鉄道からやってきた日車標準車体の100形単行でワンマン車だった。この区間は閑散線区で合理化の一環としていち早くワンマン化された。もう一つ合理化策として同区間に軽快気動車が導入されたこともあった。途中の交換駅で対向にそのLE11形がやってきた。小さいながらパワーは結構あって平坦線にはもてあまし気味だった。一説によると将来的に信楽高原鉄道への直通が考えられていたようだ。だが信楽高原鉄道の1991年5月の衝突事故で同鉄道の運行管理体制が問われ、他社は乗り入れに慎重になりこの計画も立ち消えになったそうだ。結局10年も使われずその後もとの電車にもどった。1時間半以上かけて定時に貴生川着。ここもまだ滋賀県だ。

 

八日市に留置中だった1形。角張った湘南形として特徴があったがこのときすでに押されぎみだった。
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八日市~貴生川間の100型ワンマン車。特徴のない?日車標準スタイル
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③桜川で交換したLE11形15号
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その後の新型車の投入によりこれらはすべて姿を消した