近鉄北勢線

養老線で桑名へ出たら次はナローゲージ北勢線です。この線は現在三岐鉄道の路線となり積極的な近代化が進められてますが、29年前訪問時はこんなのでした。

 

名古屋・養老線の桑名駅から3分ほど歩いたところに北勢線の起点西桑名がありました。現在他線との一体化を図るべく工事が進んでいるようですがこの頃は独立した駅舎がありました。切符は有人の出札口で買うようになっていておばさん係員が座ってました。そのとき私駅の読み方を知らず「終点はなんと言うのですか?」と聞いて「あげき」と教えてもらいました。自動券売機だったら私は今にいたるまで「あかぎ」と思っていたかもしれません(着いて駅名標見ればわかるって!)。

 

鉄道ファンはここで電車に乗る前に見に行くところがあります。駅を出て少し先にある踏み切りは日本で唯一1435㎜、1067㎜、762㎜の3軌間が並ぶものです。近鉄の規模の大きさを感じつつしっかり見ておきました。ここで撮った写真を出しておきます①。
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タイミング的に後追いになりましたが向こうにビスタカーが走っています。この頃ビスタカーといえば10100系だったのですね。

 

さていよいよ乗車です。ここの列車の特徴は写真をみてもわかるように1両の電動車が先頭になって後ろに数両の運転台のない付随車を引いて走ることです。ただし電動車は両運転台です。だから列車が終点に着くと先頭車は機回し線を通ってそれまでの最後尾について反対向けに引き返していくのです。各車両はすべて非貫通でまた客用扉は手動でした。車掌さんは駅に着く度ホームを走って降車客から切符を集め発車に際し扉を閉めて回っていました。輸送量に比し職員の労力は大変なもので非効率なことです。こんな光景が昭和50年代に見られるとは。この前年に行ったやはりナローの尾小屋鉄道でも終点での入換え作業をしていましたが、電化路線で他に見た記憶がありません。

 

ほぼ1時間で阿下喜に着きました。延長20kmそこそこの路線だからのんびりしたものですが上記のようなシステムで列車交換もあったりしてはやむをえないでしょう。三岐鉄道になった現在車両や設備の近代化、駅の統廃合で近鉄時代より5分ほどスピードアップできたそうです。さらに5分の短縮の準備を進めているそうでナローゲージでもやれば出来ると分かります。阿下喜に着いた時の先頭車の写真も載せます②。
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横に機回し線が見えてます。この後入れ替えて引き返していきます。私もここから引き返して行くのかって? いいえ。
1977,8,23撮 この訪問の数ヵ月後車両は近代化され終点での入換えはなくなった