井原鉄道

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平成11年1月11日に開業し初発列車が11時11分に発車した井原鉄道、沿線の期待も大きかったことだろう。もともと国鉄吉備線の延伸路線として山陽線のバイパス的位置付けで工事が始められたが、1980年に工事が凍結されたままになっていたものを第3セクターとして工事再開され開業にこぎつけたものだ。準幹線として国鉄時代に作られていた路盤を使っているから大部分が高架であり勾配やカーブも緩くとってある。だが現在使われている車両はJR西日本キハ120によく似たIRT355の2連か単行で普通列車ばかりだ。折角の高規格路線がもてあまし気味である。もっとも最高速度は110㎞出せるので設備を全く使いきれていないということはない。乗れば快適であることは間違いない。

 

現在東はJR伯備線総社まででそこからJR線に乗り入れる予定はない。しかし原点に戻れば吉備線との直通を視野に入れれば岡山からの利便性が向上するであろう。現状では車両規格も同様なものなので技術的には困難ではないだろう。ところがJR吉備線LRT化が検討されている。それが実現すれば直通の可能性は難しくなる。あるいはこちらの鉄道もLRTでそろえる方法もある。しかしここで人との関わりという見地から構造上の問題に行き着くはずである。
国鉄時代の発想ではより速くより安全にということから路線の高架化立体交差化が至上のものとされていたが、LRTのような人に優しい乗り物という観点からはその路線施設が必ずしも利用しやすさに結びつかない物となる。確かに大都市の大量高速輸送において高架線は必須のものではあるけれど、閑散地方において立体交差の恩恵はどれほどであろうか。むしろ階段を通って高架上にあるホームに上ることなどお年寄りの多いところでは鉄道を敬遠する原因となりかねない。この鉄道がこの地方にあってこれからさらに発展していくためには一考を要する問題だと思える。否日本の鉄道全体が発想を切り替える必要があるのかもしれない。

 

開業した年の8月1日に乗っている。ただし東半分の小田~総社間だけ。出来るだけ早く残り部分も乗りに行きたい。小田にて