慶雲館と青磁の瓶

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毎年長浜盆梅展が開かれる会場として有名な慶雲館は鉄道スクエアの真向かいにある。
1886年明治天皇が京都行幸の帰途長浜に立ち寄るとの行程が知らされ、地元名士であった
浅見又蔵は私財を投じ急遽天皇の接待所を建造した。それが慶雲館である。
建物の2階には玉座が設けられ行幸当日天皇は1時間ほど滞在したという。
その後も慶雲館は高位の人間を迎えるのに使われてきたが、1936年に長浜市所有となった。
現在は庭園や茶室も整備され盆梅展などイベント会場として残されている。

 

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平時も一般開放されている。単独での観覧料は200円だが鉄道スクエアとのセット券が500円であり、両館合計より100円安くなる。鉄道スクエアを見たあとゆったりと一休みするのにいいと思う。私が行った時は特に催しもなくがらすきで縁側で庭園を見ながらひとりボ~ッとしてた。

 

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2階にある玉座である。明治天皇・皇后はここに通され窓越しの景色を眺めたことだろう。当時ここからは琵琶湖が一望できたそうだが現在は見渡せない。やはり人気はなく傍の広間で寝転がっていても誰もこなかった。恐れ多い。

 

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新たに建てられた別館「梅の館」がありそちらに何気にこんなものが飾られていた。

  青磁陽刻牡丹文不遊環耳付瓶

本物かどうかよく分からないが、本物なら宋~元時代に青磁の名品を多く焼いた竜泉窯のものだろう。
日本にも渡来して禅宗の寺などで所蔵されたものがいくつもある。そのような経歴の一品ではないだろうか。このようなものがあるとは知らずに来てこれの前で一番時間を費やした。手を伸ばせば触れるような位置。まさか触ることは出来ないが、撮影禁止とは書いてなかったので撮らせてもらった。


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あれこれ巡って前庭に戻って見たらこんなものが木陰に立っていたのに気づく。横綱像。明治の横綱常陸山の姿だそうで。ここの建造者浅見又蔵がタニマチだったという。なんか朝青龍に似ているような…


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すぐ横はやはり北陸線。庭に立っていると表の踏み切りの音がする。すわっ、と線路沿いに移りカメラスタンバイ! 上りしらさぎが通っていった。

 

ずいぶんまったりした気分になって同館をあとにして長浜を発った。ちょっぴり明治天皇の気分。

 

以上2008.9.14撮