四国フェリー 宇高航路

かつて鉄道で本州から四国へ渡るには宇野線から宇高連絡船に乗り継いで高松へ渡るのが一般的だったが、JR化して間もなく瀬戸大橋線が開業して宇高連絡船は廃止となった。鉄道連絡船は廃止になってすでに4半世紀になるが宇高航路は現在も民間フェリー会社によって細々と運航を続けている。昔の鉄道連絡船の雰囲気をしのんで乗船するのも悪くない。

 

フェリー乗り場
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宇野駅から徒歩5分ほどのところにあるこじんまりとしたターミナルビル。鉄道連絡船廃止後も民間数社が競合して運航を続けていたが、瀬戸大橋の通行料金値下げにより利用客が激減し燃料費高騰もあって運行事業者が次々撤退。今や唯一四国フェリーだけが存続している。しかしそれも先細りで今年6月には減便を実行し深夜早朝便がなくなった。右手に船体が見える。鉄道連絡船は2000~3000トン級だったがこの船は約960トンである。それでも積載にはまだ余裕があった。高松まで運賃690円(42年前連絡船120円だったと記憶する)。手持ちの本年5月号の時刻表で15:30出航と記されていたが6月の減便で変更されたらしく現在15:15出航とわかりサイクリングを早めに切り上げなくてはならなかった。

 

客室内
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旅客用出入り口はなく自動車搭載甲板の隅から入室するようになっている。自動車やバイクとともに乗船する人が多く徒歩の客は私のほか4人見かけただけ。客室内には売店や漫画文庫が室外には浴室もあって乗客は自由に利用できるのだが乗客数はこれ位い。

 

玉野の街並み
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出港後しばらく海岸線に沿うように動き、先ほどサイクリングでそばを通った大聖寺が見えた。その横には三井造船があり大きな船舶が横たわっていた。

 

瀬戸内海へ出て
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小さな島の間を抜け瀬戸内海へ出ると眺望が開ける。天候は曇りで見通しはいまいちだったが船室内より階上デッキに出たほうが気持ちがいい。360°の視界が見渡せるのは鉄道ではできないことでやはり船旅も捨てがたい。遠くに瀬戸大橋小島坂出ルートがかすかに見えた。

 

高松の街並み
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標識灯の横を通りブイが並び高松港入港して次第に街並みが近づいてくる。サンポート高松玉藻公園が見えてくる。自動車の乗客はそれぞれの車に戻っていく。

 

高松の乗船場と船体
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時刻表では65分の航行予定だったはずだが到着は16時30分だった。甲板に降り何事もなく下船。降りてから撮った1枚。自動車での乗下船ならこれでいいが徒歩客は高松駅までちょっと歩く必要がある。何か目立たない感じ。この先を考えるとこの航路の存在も安泰とはいいがたいがかつての連絡船の旅を体感するすべとして長く存続してほしいと思った。

 

2014.10.20 乗船