もーれつア太郎

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こらえて生きるも男なら、売られた喧嘩を買うのも男
見せてやりたい肝っ玉
ガンと一発しびれる啖呵、花のア太郎江戸っ子かたぎ♪
ご存知の方ご一緒にどうぞ!
少年の頃このテーマソングの節回しが好きで泣きたいことがあると頭の中で口ずさんでいた。
自分は喧嘩を買うことはなかったけど…。

 

ア太郎は1967年後半におそ松くんの後をうけて少年サンデーに連載された赤塚漫画の一つである。翌々年私が中学生になったときTVアニメ化もされた。この年TVCMで「OH、モーレツ!」というのが大流行したが、この漫画のタイトルはその前からあったのだ。中学になると親の前でこんな漫画を見ているのははばかられたが人情に引き込まれついつい見てしまうのだ。

 

占いにこって仕事をしない父×五郎はひょんなことで死んでしまい、残された息子ア太郎は一人で家業の八百屋八百×を継ぐ。そこへ転がり込むデコッ八、心配して下界の様子を見にやってくる幽霊の×五郎。様々な難癖、因縁に巻き込まれ右往左往だがア太郎の威勢のよさと人情で解決する。それだけでは子供には受けないストーリーであるが、赤塚作品らしく特異なサブキャラクターの存在がナンセンスさを引き出して結構笑えた。

 

話が進むにつれてサブキャラのほうが有名になっていき流行語にもなった。ニャロメ、ケムンパス、べし、心の親分とその子分、ブタ松など動物だか人間だかわからない種別不明の生物の数々。赤塚の人生でモデルとなる人物がいたのだろう。彼はその人たちを見てデフォルメした絵を書いているうちに漫画家になろうと決めたのではないか。今これだけサブキャラの多彩な漫画はあるだろうか。ポケモンのモンスターのようにあれこれ出てきてそれが主役と張り合うというパターンとは違う。一人の人間の生きる周囲には様々な人間が集まり共生すると言うことを表象化しているように思う。それなりに社会の縮図を教えている漫画なのだ。ただそれぞれ個性が強すぎて主役ア太郎がかすんでしまって結末を迎えたような気がするが。

 

私の勝手な思い込み⇒ダイハツ自動車のミゼットⅡはべしをモデルにしたのと違うかな?